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コイツ、大丈夫かな。

無理に飲ませちゃったかな。

でもこれが部の伝統だもんな。

場を盛り上げるために、

必死で飲んでるように見えるな。

あ、倒れた。

救急車を呼ぶべきかな。

でも大ゴトになるし・・・

(「イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーン2016」のポスターから引用)

 

この場を盛り上げるために、

飲まなきゃ。

かなり苦しい。でも、

もっと飲まなきゃ。

アイツはお酒が弱いから、

そのぶんまで自分が飲まなきゃ。

もう飲めないなんて言いにくい

雰囲気だし、飲まなきゃ

(「イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーン2016」のちらしから引用)

 

 あなたは、どちらのタイプですか?

 卒業、入学、入社、春合宿、花見、歓迎コンパなどお酒を飲む機会が多いシーズンになった。冒頭の2つの言葉は、「イッキ飲み防止連絡協議会」が危険な飲酒を防ぐ目的で毎年行っている「イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーン2016」のポスターやチラシに印刷されたメッセージだ。24回目となるキャンペーンのキャッチコピーは「アルハラしま宣言」。冒頭のメッセージは、前者が「飲ませる側」の心の声を表現し、このような無言の「無理な飲酒を強制する空気」が作られていることが飲酒事故を誘発しているという意味が込められている。後者は「飲まされる側」の心の声だ。「お酒を飲まざるを得ない空気」の中、責任感の強い人が背負ってしまう実態を表現している。

 

 協議会の集計によると、1983年以降、急性アルコール中毒などで少なくとも154人の若者が命を落とした。この1年間のキャンペーン期間中には、確認できただけで3人の若者が飲酒がからむ事故で命を落としている。3人とも19歳だった。専門学校の男子学生は、友人と飲酒をして川で泳ぎ、亡くなったという。大学1年の女子学生は、部室で他の学生と一緒に飲酒し、周囲が気づいたときには意識がなく、救急搬送されたが亡くなった。大学1年の男子学生は、サークルの合宿先のホテルで飲酒し、おう吐したため寝かせていたが、その後にメンバーが気づいたときには呼吸をしていなかったという。

 

 キャンペーンのコピーやコンセプトは、学生らも参加した会議で意見交換したうえで作られている。協議会事務局の金田千秋さんによると、最近の特徴として、「『いじられキャラ』が飲まされやすい」という意見が出たという。「あの子なら、飲ませやすい」という感覚から出た一言が、飲まされる側にとってみれば「アルハラ」になっているということだ。「いじられキャラ」とされる本人も「飲みたくないけど声が上げられない」場の雰囲気を尊重してしまう。

 

 会議では、学生側から「お酒を飲み過ぎると急性アルコール中毒になることは分かっているけど、どういう状態がそのサイン(前兆)なのかが分からない」という声も出てきた。多量飲酒や危険な飲酒は避けるべきだが、学生側からみると、急性アルコール中毒になるようなサインを知り、広めたいということだ。そのため、チラシの裏面には、①4段階に分けたイラスト付きの「酔い」のメカニズムと対処法、②酔いつぶれた人への適切な介護方法、③すぐに救急車を呼ぶべき状態、④アルコール・ハラスメントの例、⑤アルコールに関する間違った知識の例、を取り上げた。

 

 ポスターは1万枚、ちらしは80万枚印刷され、全国の724大学に送付された。掲示されるか、学生に配られるか、ガイダンスの中で飲酒教育が行われるかは、大学次第だ。

 協議会では、サークルや部活の勧誘時に掲げる看板に張ってもらうことを想定した「アルハラしま宣言」ステッカーも2000部つくった。部やサークルに入ってみるとそれぞれの「伝統」や「儀式」があったり、場を盛り上げることを求められたり、罰ゲームとして飲まされたりといったことがある。ステッカーの中央に、上級生がそのようなことを行わない「宣言文」をペンで記入し、勧誘の看板などに張ってもらうことで、「上級生の意識改革」(金田さん)を狙っている。すでに、関西の大学の保健管理センターからは、学内のサークル分150セットの送付を求める依頼があったという。

 

「空気」を読めと、飲まされて。

https://www.youtube.com/watch?v=JAv4MNlj7u8別ウインドウで開きます

イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーン2016

http://www.ask.or.jp/ikkialhara_teigi.html別ウインドウで開きます

<アピタル:アルコールと健康・若年者対策>

http://www.asahi.com/apital/special/alcohol/