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 兵庫県に住む女性(49)は准看護師になって2年後、歯の治療中に激しい息苦しさに襲われました。原因は直前に注射された局所麻酔薬。薬物アレルギーとわかりましたが、「自分が治療を受ける時に使わなければいい」と考えていました。30年近くたった昨秋、仕事中に局所麻酔薬の入った瓶を割ってしまい、薬を吸い込んでショックを起こしました。遠のく意識の中で、ぼんやりと覚悟しました。「今日は死ぬな。もうだめだ」

 

■歯科の麻酔注射で異変

 兵庫県に住む准看護師の女性(49)は、県南部の総合病院の内科で働いている。薬剤の取り扱いには普通以上に気を使っている。代表的な局所麻酔薬にアレルギーがあり、一部の抗生剤などほかの薬剤にもアレルギーの疑いがあるからだ。

 

 初めてアレルギーの症状が出たのは30年前。19歳だった。出身地の福井県で産婦人科医院の准看護師になって、2年ほど過ぎた頃。憧れの職業につき、日々、奮闘していた。

 

 虫歯の治療で勤務先近くの歯科医院に行った。診療台に横たわり、口の中に注射器で麻酔を打たれると、異変が起きた。血の気が失せ、顔面そうはくになり、息が苦しくなった。横になっていられず、「いすを起こしてください」と頼んだ。

 

 歯科医が言った。「これは、麻酔薬のアレルギーじゃないか」

 

 食べ物によるじんましんなどアレルギー性の病気とは、幼い頃から無縁だった。家族の間でも、アレルギー体質だという話を聞いたことはなかった。「本当にアレルギーだろうか」とにわかには信じられなかった。

 

 歯の治療は中止になった。勤務先から同僚の看護師に迎えに来てもらい、勤務先に戻った。近くの内科病院から駆けつけた医師の診察を受けた。この内科医も「アナフィラキシーではないか」。アナフィラキシーは全身に強いアレルギー症状が出る状態。点滴をしてもらい、そのまま勤務先に1日入院した。

 

 アレルギーは体を守る免疫の過剰反応だ。原因物質それぞれに個別に働く抗体という免疫の担い手があり、アレルギーの引き金になる。薬も原因物質になる。ただ、抗体があれば必ずアレルギーになるわけではなく、なぜなるのかははっきりしない。

 

 当時の女性の勤務先では、出産の際に局所麻酔薬を使っていた。女性は正式に雇われる2年前から見習いをし、採用後は麻酔薬を瓶から注射器に移す作業もしていた。少量でも長年その物質に接しているとアレルギーになることがある。女性の場合もそのケースということもありうるが、もともとアレルギーがあった可能性も否定できなかった。

 

■アレルギー意識せず仕事

 福井県内の歯科医院で30年前、虫歯の治療中に局所麻酔薬でショック症状を起こした准看護師の女性(49)は、治まった後に再び受診すると、「ここではもう歯の治療はできない」と告げられた。

 

 紹介された公立病院の口腔(こうくう)外科では、麻酔薬のアレルギーかどうかを確かめるため、医師が見守る中でごく少量を注射された。すると、症状は軽いものの、同じように気分が悪くなった。「薬剤アレルギー」と確かめられた。

 

 日を改めて、この局所麻酔薬と…

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