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  もし、あなたは、自分の体に力が入らなくなり、医師に診てもらったら突然「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と言われたらどうしますか? 「患者を生きる~仲間と歩む」のALS編の5日分の記事を一つにまとめました。

 

■国会へ、世論も後押し

 5月23日、参議院厚生労働委員会。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者、岡部宏生(おかべひろき)さん(58)が参考人として出席していた。「患者は一日も早く施行されることを望んでいます」。ALS患者が入院する際、認められていなかったヘルパー(介護人)の付き添いを可能にする障害者総合支援法改正案の審議が大詰めを迎えていた。

 ALSは、体を動かすための神経細胞などが徐々に壊れ、自らの意思が伝わらず筋肉が縮み、力が入らなくなる難病。発症から3~5年で自分で呼吸できなくなり、人工呼吸器をつけなければ死に至る。人工呼吸器をつけるときは気管切開が必要で、肉声を失う。

 声を出せないと、コミュニケーションを取るのが難しい。体調を伝えられなければ、生命の危機につながる。そんな状況を聞くため、当初は5月10日の衆院厚労委で、日本ALS協会副会長だった岡部さんに出席依頼があった。

 しかし、直前に出席は取りやめとなった。理由はこうだった。

 「コミュニケーションに時間がかかり、議論が深まらない」

 2006年にALSを発症し、09年に人工呼吸器を装着した岡部さんは「口文字」というコミュニケーションを使う。母音の口の形や目の動きをヘルパーが読み取り、もう一人が一文字ずつメモをとって代読する。委員会はそのやりとりに難色を示した。

 この日は代理出席した協会理事が岡部さんのメッセージを代読した。9時間かけてつくった要望書だった。「福祉に最も理解をしてくれるはずの厚生労働委員会で、障害があることで排除されたことは、深刻なこの国のありさまを示しているのではないでしょうか」

 その後も協会は岡部さんの出席を求め続け、世論の後押しもあり、実現した。5月23日の審議で、岡部さんは「このような生き方もあることを発信することで、様々な障害に思いをはせて頂ければと思っています」と伝えた。

 岡部さんは口文字や事前に用意した答弁を代読してもらい、現状を語った。その2日後、改正法が成立した。「療養環境の改善や向上、治療薬の研究開発が進むことなど課題は山積している。これからが始まりです」

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