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 健康・医療情報サイトの記事が、科学的、医学的に不正確な内容だったとして、サイトの閉鎖が相次いでいます。

 

 インターネット技術が発達したおかげで、誰もが簡単に情報を入手することができるようになりました。その一方で、誰もが簡単に情報を発信することもできるようになりました。その結果、インターネット上では、膨大な情報が、それこそ洪水のようにあふれかえっている状況になっています。

 例えば、「Google(グーグル)」という検索エンジンで「グルコサミン」「膝」というキーワードで検索すると60万件を超える情報がヒットします。仮に、ひとつのページを1分かけて見ると、1日8時間365日、それこそ毎日見続けたとしても、すべてを見終えるのに約3年半かかります。

 そのため、情報を発信する側は、検索された時に自分の情報が上位にヒットするように工夫することがあります。場合によっては、お金を払う「広告」という形で情報が一番最初にヒットするようにすることもあります(※もしかすると、読者の中には、「広告」のページがあることを知らなかったという人がいるかもしれません。この機会に覚えておいてもらえたらと思います。)。

写真・図版

 

 検索エンジンを運営している企業側も、利用者が正確で有益な情報にアクセスしやすいように、どのようなサイトを検索結果の最初の方に表示させるか仕組みをつくっています。

 しかし、問題となった健康・医療情報サイトを運営していた企業は、その仕組みの裏をかくような形で、とにかく検索結果の上位にくるような手法を駆使していたようです。そのため、記事の内容に関する科学的妥当性や正確性は二の次になっていたことが指摘されています。

 

 では、今回の事例のように主だった大企業が、不正確な情報が掲載されているサイトを閉鎖したことで、インターネット上の情報は正確で有益なものばかりになるのでしょうか?

 個人的な見解ですが、今後も、不正確な情報は発信し続けられていくのではないかと思います。前述の通り、インターネット技術の発達によって、誰もが簡単に情報を発信することができます。これは、企業のような組織だけではなく、たったひとりの個人でも可能です。ですから、世の中に悪意を持った人がいる限り、不正確な情報は消えてなくならないことになります。

 そうなると、情報を検索する利用者側が、情報を見極める力を身につけたり、検索方法を工夫したりすることが必要になってきます。

そこで、今回、ちょっとした工夫で、インターネットで正確な情報を入手しやすくなる方法を紹介したいと思います。

 

 正確な情報の発信元としての代表的な例として「厚生労働省・消費者庁などの行政機関」「大学などの学術研究機関」があります。そして、各機関は情報発信のためのサイトを作成し、管理・運営をしています。その際、各サイトには機関や組織の種別によって、特定のドメイン名(インターネット上の住所に相当)が使われています。

 

「go.jp」:日本の政府機関や各省庁所管の研究所など

「ac.jp」:高等教育機関、学術研究機関など

 

【補足】

go:government(政府・行政)の略

ac:academic(学術的な)の略

jp:日本国内に住所や本拠を持つ個人や団体が取得可能

 

 逆に民間企業や個人が、サイトのドメイン名に「go.jp」や「ac.jp」を使用することはできません。

ですから、調べたい内容の検索キーワードに「go.jp」や「ac.jp」を追加すると、行政機関や学術研究機関の情報がヒットしてきます。

(※注意:「広告」のページはそのまま残っています)

 インターネットを使って健康・医療情報を調べることがあれば、試してみてもらえたらと思います。

 

<アピタル:これって効きますか?・その他>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/kiku/(アピタル・大野智)

アピタル・大野智

アピタル・大野智(おおの・さとし) 大阪大学大学院准教授

大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座 准教授/早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 客員准教授。1971年浜松市生まれ。98年島根医科大学(現・島根大医学部)卒。主な研究テーマは腫瘍免疫学、がん免疫療法。補完代替医療や健康食品にも詳しく、厚労省『「統合医療」情報発信サイト』の作成に取り組む。