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 ストレスがたまった時、目にとまった高い商品を思わず買ってしまい、家に帰ってから後悔する――。そんな経験をした人は少なくないはずです。

 私も社会人1年目の時、初めてのボーナスで家具や洋服をまとめ買いしました。仕事に追われる日々が続いていましたが、数時間でたくさんの買い物をしたことで、晴れ晴れとした気持ちになった感覚をよく覚えています。今でも年1回は、心の中で「ストレス発散」と言い訳をしながら、洋服などをまとめて買うことがあります。

 私の場合、購入金額は自分で支払える範囲内で、いずれの商品も使い続けています。ただ、過度なストレスを長く受け続ければ、快感を求めて買い物をする時が来るかもしれません。

 取材に応じてくれた買い物依存症の女性(50)は、買い物をしたくなる理由として、「つらい現実から逃げたかった」と話していました。私も、同じように「逃げられたら……」と思ったことは過去にあり、自分もなりうる病気だと感じました。

 自助グループに参加して約20年になるという別の50代の女性は、過度な買い物が原因で計約2600万円の借金をしました。家族などには怒られてばかりでしたが、自助グループでは、ほかの参加者から「大変だったね」「つらかったね」といった言葉をかけられ、気持ちが楽になったと言います。また、回復した人と会うことで、「何年後かに自分もこうなれる」と希望を持てたそうです。

 どんな病気にも共通することではありますが、依存症では特に、当事者同士が語り合うことの意味の大きさを改めて認識しました。買い物依存症の自助グループは、アルコール依存症などに比べるとまだ少ないので、今後、増えていってほしいと思います。

 

<アピタル:患者を生きる・依存症>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru(南宏美)