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 「医師は大丈夫というけれど、元通り働き続けられるだろうか?」 

 「面接のときにがんを公表したほうがいいのか?」

 「100%治るまで復職ダメといわれたけど、どうしたら良いの?」

 働くことで悩んだとき、どうしたら良いのでしょうか?

▼「がん相談支援センター」を活用しましょう

▼就労相談は個別性が高い

▼相談することで気持ちは改善する

▼傾聴だけでは解決できない就労相談

 

●「がん相談支援センター」を活用しましょう

 2012年に成立した第2期のがん対策推進基本計画で「がん患者の就労支援」が位置付けられてから、病院の中や外で、たくさんの相談場所ができてきました。全国のがん拠点病院に配置された「がん相談支援センター」もその一つです。

 がん相談支援センターでは、患者さんや家族などを対象に、病気や治療、療養生活について、情報を探す支援を行っています。また、心のケアや生活支援、助成制度の紹介、家族への支援など様々な相談にも対応しており、働くことの相談もできます。

 最近は社会保険労務士やハローワークの相談員による相談会も開催されていますから、みなさんが利用しやすい相談支援センターはどこにあるのか、また、どんな情報や支援が展開されているのか、一度のぞいてみると良いでしょう。

 

●就労相談は個別性が高い

 私たちの団体では12年から無料の電話相談「就労ほっとコール」を毎月開催しています。

 就労ほっとコールは、がんを経験した社会福祉士や社会保険労務士、人事労務やマネージャー経験者などが相談を受けています。同じ経験をした人同士の支え合いを「ピアサポート」と言いますが、その役割に業務経験を加えた支援を展開しています。所用時間は今のところ50分。相談者1人に、相談員2人が対応しています。

 16年、その相談支援の効果を調べるため、利用者にアンケートを実施しました。母数は少ないのですが、ピアサポートの効果を少し考えてみたいと思います。

 就労ほっとコールの相談理由は、「今後の働き方」が24件で第一位、次いで、「就職・再就職・転職」が19件、「不安など精神的なこと」が17件となっています。この他、「休職・復職」「職場の理解・人間関係」「社会保険等制度」が9件となっています。

 就労相談は、こうしたニーズの違いに加え、雇用形態や会社の規模、業務内容、職場の男女比や年齢構成、本人のキャリアなど、様々な要因を組み合わせていくため、相談内容の個別性がとても高くなるのが特徴です。

 

●相談することで不安な気持ちは改善する

 相談した後の気持ちの変化は、「気持ちが楽になった・少し気持ちが楽になった」が76%。相談前の気持ちを含めると、「とても不安だった・不安だった」人ほど、気持ちの改善傾向が大きいことがわかっています。

 就労ほっとコールは、相手の姿が見えない電話相談という難しさもありますが、その一方、顔が見えないことで相談しやすくなっているメリットもあるようです。

 「困ったらまず相談」することの大切さは、こうした調査にも表れています。

 

●傾聴だけでは解決できない就労相談

 就労やお金の相談では、「それはツライですね」、「不安な気持ちになりますよね」と傾聴だけをしていても、状況は全く変わりません。相手の話に耳を傾け、その心に寄り添う「傾聴」を第一にしながら、治療や社会的な条件、仕事への思いを整理していく。その上で、具体的な選択肢をいくつか提示し、それを「自分で選び取ることを支援すること」が大切になります。

 ほっとコールに相談した後、利用した人たちは、助言された選択肢を「行動したことがある」72%、「行動したことはない」28%となりました。

 「行動したことがある」と回答した人では、「満足した・やや満足した」が61%になります。この61%の中には、就労継続できた人も、新規就職できた人もいます。また、まだ就職できていない人や退職した人もいます。それでも「満足」されている方がいます。

 就労相談で大切なのは結果だけではなく、「 ‘自分で選んで行動した’ということが‘満足’につながっている」ということがわかります。「働くこと=ゴール」ではありません。

 

 相談を受ける人の専門性が高いと、どうしても自分の得意分野で相談を受けてしまう傾向があります。相談に来た人の気持ちも聞かずにいきなり制度の話をしたり、いきなり仕事を紹介したりしても、相談者はとまどうばかりです。

 相談員のゴールと、相談にきた患者さん、家族のゴールはしばしば違います。相談支援に関わる人はそのことを忘れてはいけません。

 話しをすることで、自分の長所や新しい気づきがあります。自分だけで悩んでいても解決できないことがありますから、就労やお金のことで不安になったら、是非相談をしてみましょう。

 

一般社団法人CSRプロジェクト

・患者さん、家族向け:http://workingsurvivors.org/secondopinion.html別ウインドウで開きます

・企業人事、医療者向け:http://workingsurvivors.org/sp-call.html別ウインドウで開きます

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<アピタル:がん、そして働く・コラム>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/cancer/(アピタル・桜井なおみ)

アピタル・桜井なおみ

アピタル・桜井なおみ(さくらい・なおみ) 一般社団法人CSRプロジェクト代表理事

東京生まれ。大学で都市計画を学んだ後、卒業後はコンサルティング会社にて、まちづくりや環境学習などに従事。2004年、30代で乳がん罹患後は、働き盛りで罹患した自らのがん経験や社会経験を活かし、小児がん経験者を含めた患者・家族の支援活動を開始、現在に至る。社会福祉士、技術士(建設部門)、産業カウンセラー。