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 「相変わらず違反がゴロゴロ、ってことじゃない」。調査結果のリリースを見ながら、つぶやきました。健康食品の表示についてです。東京都は毎年、健康食品の試買調査を行っており、2016年度の調査結果を先月末に発表しました。

http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/03/28/12.html別ウインドウで開きます

 店頭で45品、インターネットなどの通信販売で80品の合計125品を購入。そのうち84品、67%の商品に不適正な表示・広告があった、という結果です。店頭購入分では17品で38%ですが、通信販売分では67品と、問題がある商品が84%に達しています。通信販売分ではパッケージの表示のみならず、サイト上の広告も点検項目になっており、より問題が見つかりやすかったという背景もあるでしょう。なお、2品からは医薬品成分が検出され、都は販売中止と自主回収を指示しています。

 調査は、法令違反の可能性が高いと思われる商品を選んで購入しているので、これがそのまま市場の実勢を反映しているわけではないと思います。けれども、探せばこれだけ高い割合で、表示・広告に問題がある商品が出てくるということを示しています。他の食品分野ではまず、考えられないことです。

 

 どんな違反(あるいは違反の疑い)があったのか。最も多いのは、医薬品医療機器等法(旧薬事法)についてでした。医薬品のような効果効能をうたっているケースです。「アトピーのかゆみ・あせもの治療」「生活習慣病予防」といった事例が示されています。このように病名をあげて予防や治療をうたうことは、医薬品にしかできません。また「大脳を活性化して女性ホルモン・成長ホルモンを促す」「鎮静作用」「脱毛抑制」という表示も不適正と判断されました。こちらも、医薬品にしか許されていない「体に作用して変化させる働き」の表示(リリースでは「身体の組織機能の一般的増強・増進を主たる目的とする効能効果」と書かれています)をしているからです。

 その食品を摂るだけで、他になにもしなくても効果があるような誇大なイメージを与える表示も、健康増進法上はNG。「集中力・記憶力の低下を防ぐ効果があると言われている」「力強い肉体作り」「運動後の効果的なリカバリーが期待できる」という事例があげられています。

 「ついてしまった肥満成分を燃焼」「飲めば飲むほど『めぐり』が良くなりお肌・体にもイイ事づくし」・・・いかにも?な文言ですが、こちらは景品表示法上、表示を裏付ける合理的根拠がなく優良誤認させる表示だとされました。

 2015年度の調査でも126品中103品、2014年度も125品中105品が違反または違反の疑いがあるとされました。

 

 「どうしてこんなに違反が多いのでしょう?」。調査を担当した都健康安全研究センターの薩埵(さった)真二・食品医薬品情報担当課長に質問してみました。「消費者が健康食品を購入するのは、効果を期待してのこと。企業はニーズに応えようと、法律ぎりぎりのところを表示しようとする、それが時に行き過ぎてしまう、ということでは」という答えが返ってきました。健康食品という商品の性格に根ざす問題と言えそうです。

 不適正な表示・広告にひっかからないためには、少なくとも①病気の治療・予防をうたうフレーズや②「疲労回復」「免疫力向上」といった体への作用をうたうフレーズに注意し、表示や広告の内容に根拠があるか、いったん立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。情報収集には、東京都が開設しているサイト「健康食品ナビ」がありますし、食品安全委員会も健康食品に関する情報を発信しています。

 ◇「健康食品ナビ」

 (http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/supply/index.html別ウインドウで開きます

 ◇食品安全委員会

 (http://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html別ウインドウで開きます

 

 ◆写真で紹介した、ドイツ連邦リスク評価研究所のHP

 (http://www.bfr.bund.de/en/frequently_asked_questions_about_easter_eggs-70342.html別ウインドウで開きます

 

<アピタル:食のおしゃべり・トピック>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/eat/(大村美香)

大村美香

大村美香(おおむら・みか) 朝日新聞記者

1991年4月朝日新聞社に入り、盛岡、千葉総局を経て96年4月に東京本社学芸部(家庭面担当、現在の生活面にあたる)。組織変更で所属部の名称がその後何回か変わるが、主に食の分野を取材。10年4月から16年4月まで編集委員(食・農担当)。共著に「あした何を食べますか?」(03年・朝日新聞社刊)