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 春の健康診断シーズンを終えて、手元に診断の結果が届いている人も多いと思います。今年の結果はいかがでしたか? 「自分は判定がAとBばかりで悪いところはなかったから大丈夫!」と結果をあまり細かく見ていないという人もいるのでは?

 しかし、健康診断の目的は「生活習慣を振り返り改善するきっかけにすること」や「病気を早期発見し早期治療につなげること」です。そのためには漠然とA~Eの評価を確認するだけではなく、測定値の経年変化を見ることで、からだの変調の兆しをいち早く把握することが大切です。

 結果を見る際は、基準値内でも過去の結果と比較してください。できればここ何年かの結果だけではなく、例えば現在40代の人は、体重が増加しやすくなる30代頃からの結果と見比べるのがおすすめです。そして、基準値の範囲内でも以前より数値が大きく異なっていたり、数値が急激に変わっていたりしたら要注意。からだの中で何らかの変化が起こっているという兆しかもしれません。

 数値が変わった理由として、食生活や生活環境など思い当たる節があれば、改善に取り組みましょう。まだAやB判定の範囲内であれば、ご飯の量を若干軽めにしたり、フロア移動にできるだけ階段を使ったりするなど、ちょっとした心がけで数値改善が期待できます。早めに気づき、早めに取り組むほど結果につながりやすいです。

 

 では、各検査項目からどのようなことが分かるのでしょうか? 主要な検査項目から分かることを表にまとめました。

 

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 働き盛り、40歳以上の男性に特に気を付けて欲しいのが「メタボリックシンドローム」です。まずはその判定基準になる腹囲、BMI、血圧、血糖、中性脂肪、HDLコレステロールと、合わせてLDLコレステロールについて説明していきましょう。

●腹囲……CTで内臓脂肪面積を測定した場合、100平方センチメートル以上あると内臓脂肪型肥満が疑われます。これに相当する腹囲が男性は85センチ以上、女性では90センチ以上となります。

●BMI……世界共通の体格を表す指標で、体重を身長の2乗で割って得られる数値です。18.5未満で痩せ、25以上は肥満と判定されます。

●血圧……全身に血液が送られる際に血管の壁が内側から押される圧力のことで、心臓が収縮して血液を送り出す際の圧力を最高血圧(収縮期)、心臓が元に戻り血液を貯める間の圧力が最低血圧(拡張期)といいます。高血圧の状態が長く続くと血管への負荷がかかり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。

●血糖(空腹時)……血糖値は血液中のブドウ糖の濃度を表しています。インスリンが不足したり、働きが弱くなったりすると血糖値が上昇し、糖尿病が強く疑われます。

●中性脂肪……中性脂肪の増加は肥満や脂肪肝につながります。中性脂肪が増えると血管に入り込みやすい小型LDLコレステロールをつくりやすくし、HDLコレステロールを減らしてしまうデメリットもあります。

●HDLコレステロール……善玉コレステロールと呼ばれ、動脈硬化を予防する働きがあります。

●LDLコレステロール……悪玉コレステロールと呼ばれ、血液中に増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化の直接的な原因になります。

 

 次に、読者の皆さんの中でも気になる人が多いと思われる肝機能に関する項目を紹介しましょう。肝臓の機能は非常に複雑で、病気にかかっても無自覚のまま症状が進む場合が多く「沈黙の臓器」と呼ばれています。しっかりと健康診断の結果を把握しておきましょう。

●ALT……肝臓に特化して存在する酵素。この数値が高いと急性肝炎やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)が疑われます。

●AST……肝臓や筋肉の障害に伴い数値が変動する酵素。この数値が高いと心筋梗塞や、多発性筋炎などの疑いがあります。

●γ-GTP……主にアルコールや薬物により肝細胞が破壊されることで数値が上がる酵素。とくにアルコール性肝障害の診断に使われます。

 

 健康診断で大切なのは受ける前ではなく受けた後。もし気になる数値があればどうすれば改善できるか、まずはお医者さんに聞いてみるとよいでしょう。そして、ご自身のからだや健康についてきちんと考え、充実した人生を手に入れるきっかけとして健康診断をご活用ください!

 

<アピタル:タニタとつくる健康生活>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・麻生美保子)

アピタル・麻生美保子

アピタル・麻生美保子(あそう・みほこ) 株式会社タニタヘルスリンク・ヒューマンサービス企画部 管理栄養士 健康運動指導士

病院勤務、自治体・企業でのメタボ予防指導を経て、タニタヘルスリンクにて特定保健指導や健康支援サービスを担当。病院勤務時代、在宅訪問で患者さんと家族をサポートした経験から、「病気になる前にサポートできる仕事がしたい」と強く感じ、現在は予防医療に力を注いでいる。