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 たばこや有害物質で汚れた空気を吸い続けたことで、肺の機能が弱まり、通常の呼吸ができなくなる病気が「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患」(COPD)です。東京都板橋区の内田幸男さんは、60歳だった17年前、COPDと診断され、治ることはないと宣告されました。症状が悪化し、急に息苦しくなって救急車で運ばれることもあったそうです。うつ状態で絶望していた内田さんを救ったのが「呼吸リハビリ」との出会いでした。

肺気腫と診断、救急搬送で禁煙決意

 最初の異変は、都営地下鉄の水道橋駅(東京都千代田区)で階段を上がっていた時にやってきた。1998年春、東京都板橋区の内田幸男(うちだゆきお)さん(77)は58歳だった。「なんだか苦しいな」。これまでにない息切れがした。翌年、人間ドックで告げられた。「呼吸器系に異常があります」

 

 内田さんは中学校を卒業後、すぐ仕事に就いた。千葉県にあった真鍮(しんちゅう)をつくる工場だった。集めてきた廃材から金属を選び出して、再生する。作業場はほこりまみれだった。「職人さんの世界に、早くなじみたくてね」。たばこを覚えたのはこのころだった。

 働きながら定時制高校を卒業した。仕事はきつかった。じん肺の不安も募り、35歳で工場を辞めて喫茶店を開いた。その後、店をたたんで会社勤めをしていた。息苦しさを初めて感じた水道橋駅は、勤務先の職場が変わって新たに使い始めた乗り換え駅だった。

 呼吸器系の異常を指摘された人間ドックでは、禁煙を指示された。だが、あまり気にせず、たばこを毎日20~30本吸い続けた。

 ところが2000年、再び人間ドックでひっかかり、肺機能検査を勧められた。紹介された大学病院の呼吸器科でCT検査などを受け、たばこなどが原因で肺の細胞が破壊される肺気腫と診断された。慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)とも呼ばれる。

 「この病気は治ることはないので、あとは年1回の検査でよいでしょう」。医師の言葉に頭をがつんと殴られるようなショックを受けた。

 呼吸が楽になるよう気管支拡張薬を処方され、年1回の検査を指示された。だが、その年の冬、体調をたびたび崩して、ついにある日の朝方、急に呼吸が苦しくなって救急車で運ばれた。

 「このままではいけない」。禁煙を決意し、3週間かけて成功した。禁煙補助薬のニコチンパッチやニコチンガムは使わず、自力で成功した。

 ところが、体調は思うように回復しなかった。気持ちが沈み、うつ状態になっていた。「何かできることはないのか」。内田さんは、もがき始めた。

 

運動、呼吸、食事、セットで取り組み

 東京都板橋区の内田幸男さん(77)は肺の細胞が壊れる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)になり、呼吸が苦しい日々を過ごしていた。救急車で運ばれることもあり、気分も塞いでいた。

 「どうすれば、よいでしょう?」。2001年、かかりつけ医に相談すると、「専門の診療科がある病院で診てもらうように」と東京都老人医療センター(現・健康長寿医療センター)を勧められた。2週間の入院をし、呼吸器科部長だった木田厚瑞(きだこうずい)さん(72)に呼吸リハビリの指導を受けた。

 呼吸リハビリは、COPDの患者が、肺の状態や筋力を測定し、症状に合わせた呼吸法や吸入薬の使い方、運動する習慣を身につける。自宅で自分だけで取り組めるように、医師や理学療法士が指導する。食事のとり方なども含め、すべてが「リハビリ」としてセットだ。

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