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 これまで管理栄養士としてさまざまダイエット指導を行ってきましたが、成功する人としない人にはある違いがあることに気がつきました。それは「目標の立て方」です。ダイエットがうまくいかない人は、始めから高い目標を掲げがちだった印象があります。

 例えば、保健指導などで推奨する減量ペースは月に「-1kg」。しかし、中には半年で「-10~15kg」という目標を掲げる人もいます。やる気に満ちあふれた姿を応援したい気持ちもありますが、多くの場合、目標が高すぎるとなかなかゴールが見えず、途中で挫折しやすくなる傾向にあります。ダイエットを成功させるコツ、それは「適切な目標を立てること」です。その上で、記録をつけることをおすすめします。

 ダイエットの成果はすぐに出るものではありません。無理な食事制限を行えば短期間で減量することは可能ですが、途中でからだを壊したり、リバウンドを招いたりすることが多いためおすすめできません。焦らず無理のない方法で取り組むようにしましょう。

 取り組む期間は3カ月が一つの目安です。筋肉や骨など、人のからだの組織が生まれ変わるサイクルが約3カ月。例えば「今年の夏までには…」と思えば、春から取り組む必要がありますね。

 

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 ダイエットを始める際は、ぜひ長期的な目標を立ててください。さらに、目標設定は「グ・タ・イ・テ・キ・ニ(具体的に)」を心がけましょう。これは、目標を設定する上で大切なポイントの頭文字をとった合言葉です。

 グ:具体的に

 タ:達成可能な

 イ:意欲を持って取り組める

 テ:定量化した

 キ:期日を決めて

 ニ:日課にできる

 例をあげると「健診結果を見て、これはまずいと思い一念発起。数値目標は3カ月で-3㎏、腹囲-3cm。まず、ランチで大盛りを注文するのはやめよう。夜遅い食事は野菜たっぷりを意識。駅や会社では階段を利用。毎日何歩歩いたか気にしてみようかな。さあ、今日から計測と記録のスタートだ!」といった具合です。どうです、かなり具体的になったのではないでしょうか?

 このように体形や体重など達成可能な目標を書き出して、できるだけ具体的な食事や運動などの行動目標を設定しましょう。少し頑張れば達成できるくらいの目標にすることが、成功につながるコツです。

 チャレンジがスタートしたら、体重だけでなく体組成(筋肉量、体脂肪率など)に目を向け、定期的に計測・記録をします。記録をつけることは、ダイエットの効果を数値化するということ。「なんとなく体重が減ってきた」「からだが軽くなった」という感覚的な判断ではなく、きちんとした数値で効果が見えれば、モチベーションアップにもつながります。万が一、効果が出ていない場合には改善点の発見にも役立ちます。

 

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 体組成は「毎日できるだけ決まった時間にはかること」が、ブレの少ない数値を把握するコツです。ただし、計測値にあまり神経質になり過ぎないようにしましょう。例えば、体重なら前日と比べて1kg程度の増減幅は許容範囲内です。数値を見る際は、日々の変化に一喜一憂するのではなく1週間程度で区切り、その間で増加傾向なのか、減少傾向なのかを捉えるようにします。

 また、「周囲に宣言すること」もダイエットの成功に効果的です。互いに支え合う仲間ができたり、家族からの理解やサポートが得られたり、メリットがたくさんあります。周りの目があれば気持ちにも張り合いが出て、成功率アップも期待できそうですよね。

 だからといって、「あの人に比べると自分はそれほど結果が出ていない」など周りを気にし過ぎるのも考えもの。基礎代謝や生活リズム、目標は人それぞれなので、同じことをやっても同じ結果になるとは限りません。自分のペースでじっくり取り組むことが一番です。

 また、ダイエットは食事のコントロールだけでなく、運動もあわせて行うことでより理想に近づきやすくなります。

 

 「ダイエット=やせること」ではありません。ご自身の適正体重を理解し、より健康的な生活が送れるよう日頃から健康意識を高く持っていたいですね。

 

<アピタル:タニタとつくる健康生活>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・麻生美保子)

アピタル・麻生美保子

アピタル・麻生美保子(あそう・みほこ) 株式会社タニタヘルスリンク・ヒューマンサービス企画部 管理栄養士 健康運動指導士

病院勤務、自治体・企業でのメタボ予防指導を経て、タニタヘルスリンクにて特定保健指導や健康支援サービスを担当。病院勤務時代、在宅訪問で患者さんと家族をサポートした経験から、「病気になる前にサポートできる仕事がしたい」と強く感じ、現在は予防医療に力を注いでいる。