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 このたび、『医心電信』が本になりました。

 医学と看護社から、『医心電信~よりよい医師患者関係のために~』というタイトルで、2017年10月1日に発売です。値段は1980円+消費税です。もしかしたら消費税増税がありうるので、早めにご購入いただいたほうがいいかもしれません。

 内容は、これまで書いた300本ほどのコラムの中から「患者さんに知ってほしいこと」「風邪を治す薬はありますか?」「たばこは有害です」など、分野別に約80本を選んで収録しています。一つ一つのコラムは短く、どこから読んでも大丈夫です。興味のあるところだけ先に読んでもOKです。医学と看護社から出版された本は専門書が多いですが、この本は一般の人でもわかりやすく読めます。本屋さんでは医学書のコーナーに置かれると思います。小さい本屋さんには置いてもらえないかもしれませんが、インターネットでも買えます。

 思えば、2011年からずっと『医心電信』を書かせていただいています。ありがたいことです。今ではコラムですが、当時はブログと呼んでいました。時代を感じさせますね。書籍化の話をいただいて、掲載するコラムを選ぶためにあらためて過去のコラムを読み直してみましたが、我ながらなかなか良いことを書いていたと思います。

コラムの内容については細かな修正のみ行い、基本的には当時のまま収録しています。進歩が著しい分野では、内容が古くなっているものもあります。たとえば、慢性C型肝炎の治療法はこの数年で劇的に変わりました。いまでは95%以上の確率で治る治療法がありますが、まだ50~60%程度の治療法しかなかった2011年に「治るかどうか五分五分のとき」というコラムを書いています。

 しかし、医療の本質的な部分は変わっていません。医療は不確実であること、その不確実性も含めて患者さんに情報を伝えること、ただし情報だけ伝えて患者さんに判断を丸投げしてはならず意思決定について十分な支援を行うべきであることは、今でも、そして将来も通用する考え方です。

 また、分野別にまとめていますので、より理解が進むと思います。週に1回の連載だと、2週も前のコラムの内容なんて忘れてしまいますし。B型肝炎のワクチンの話などは、2012年には「世界標準と違って日本では全員接種になっていない」と書いていたのが、2015年には「日本でも全員接種になりそうです」と書けるようになりました。数年越しのコラムを読むことで全員接種となった歴史的経緯がわかります。

 他にも、患者さんにとってお得なちょっとした情報や、がん検診やワクチンの基本的な考え方について書きました。この本が患者さんと医療者の距離を縮めることに役立てればたいへんにうれしく思います。

<アピタル:内科医・酒井健司の医心電信・その他>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/sakai/

(アピタル・酒井健司)

アピタル・酒井健司

アピタル・酒井健司(さかい・けんじ) 内科医

1971年、福岡県生まれ。1996年九州大学医学部卒。九州大学第一内科入局。福岡市内の一般病院に内科医として勤務。趣味は読書と釣り。医療は奥が深いです。教科書や医学雑誌には、ちょっとした患者さんの疑問や不満などは書いていません。どうか教えてください。みなさんと一緒に考えるのが、このコラムの狙いです。

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