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 11月になって、徐々に冬の気配が感じられるようになりましたが、季節の変わり目は体調を崩しやすいタイミングです。また、空気が乾燥して、風邪やインフルエンザにかかるリスクも高まります。そのため、体調管理には十分気をつけたいものです。また、冬を迎える前に、腸内環境を整えることがおすすめです。

 「なぜ腸なの?」と不思議に思われるかもしれませんが、腸内環境を整えることで免疫力がアップするからです。

 腸の中には、500~1,000種、100兆個 という、たくさんの細菌が住んでいると言われています。これらは大まかに分けると善玉菌と悪玉菌、日和見菌に分類できます。

 善玉菌は「消化・吸収・代謝の促進」「病原菌・有害菌の増殖抑制・感染防御」「免疫系の活性化」「有害・発がん物質の分解と排泄促進」など、からだによいことをしてくれる微生物。悪玉菌はインドールやアンモニアという毒素を出す困った存在です。日和見菌は、善玉菌とも悪玉菌ともいえないもの。普段は悪さをしませんが、悪玉菌が優勢になると悪玉菌のような働きをするため、腸内環境を整えておくことが大切です。

 腸内環境が整っている状態とは、悪玉菌より善玉菌が多い状態を指します。そして、体内の免疫細胞の6割は腸内に集まっているので、腸内環境が整うと免疫細胞が活性化され、免疫力が高まるという訳です。

 

 腸内環境が悪いと便秘や肌荒れを引き起こすことはよく知られていますが、その他にもからだにさまざまな悪影響を及ぼします。

 食べた物は、食道や胃を通った後、腸で栄養が吸収されます。腸では食べ物に含まれる栄養だけではなく、悪玉菌によって発生したアンモニアなどの有害物質も血液中へ吸収されます。このため、腸内環境が悪化すると、血液中に不要な老廃物が増加し、からだへの負担が大きくなります。さらに、私たちを幸せな気分にしてくれる「セロトニン」や、やる気を与えてくれる「ドーパミン」 というホルモンのもとも腸で作られるため、腸内環境の改善は、こころの健康を維持するためにも重要です。

 

 では、善玉菌を増やすにはどうすればよいのでしょうか?

 最も簡単なのが「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」が含まれた食べ物を日常的に食べること。「プロバイオティクス」とは、腸内細菌のバランスを整える乳酸菌などの微生物のことで、ヨーグルトや納豆などの発酵食品に多く含まれています。

 

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 一方、「プレバイオティクス」は、オリゴ糖や食物繊維など「プロバイオティクス」のエサになり、善玉菌を増やす働きのある食品成分です。こちらは、玉ねぎやキャベツなどの野菜や大豆、サツマイモなどにたくさん含まれています。

 

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 とは言え「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」もたくさんとればよいというものではありません。これらが含まれた食べ物を、毎日毎食少しずつ食べることが効果的です。ただ、毎食同じでは飽きてしまうので、朝は納豆1パック、昼は小皿に盛られたキムチ、夜はヨーグルトという具合に、毎食違うものを食事に付けてみてはいかがでしょうか。

 乳酸菌は腸に届く前にそのほとんどが胃酸で死滅してしまいますが、死滅しても、善玉菌のエサになるため、腸内環境を改善する効果はありますので、それほど神経質になる必要はありません。できる範囲で取り組んでくださいね。

 「プレバイオティクス」については、成人の必要量とされる350gの野菜を1日にとればOKです。

 逆に、悪玉菌の好物になる肉類や脂肪分のとりすぎには注意が必要。また、腸の働きを悪くするストレスや喫煙も禁物です。できるだけストレスのない生活を心がけ、可能なら禁煙にも取り組みましょう。

 

 善玉菌と悪玉菌のバランスは生活習慣や加齢とともに変化していくため、ぜひ今回紹介したことを実践してみてください。

 これから何かとイベントごとの多い季節です。いまのうちに腸内環境を整えて、充実した日々を過ごすための準備をしておきましょう!

 

<アピタル:タニタとつくる健康生活>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・堀越理恵子)

アピタル・堀越理恵子

アピタル・堀越理恵子(ほりこし・りえこ) 株式会社タニタヘルスリンク・ヒューマンサービス企画部 公認スポーツ栄養士

学校給食や特定保健指導事業者での勤務を経て、タニタヘルスリンク入社。現在は健康づくりに取り組む人へのカウンセリング業務や健康セミナーの講師として、健康支援サービスの企画や運営などを担当。公認スポーツ栄養士の資格を生かし、大学の駅伝部や実業団のスポーツ選手の栄養マネジメントも担当している。