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 メグミさんは内科病棟で働く看護師です。イライラすることがあっても、それを相手には言えずにストレスがたまってしまいます。

 周囲の人からはおっとりした性格のように見られるのですが、実は毎日イライラしていて、心のなかの不機嫌が、時々ポロっと出てしまいます。メグミさんの話を聞いてみましょう。

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 日勤の終業時刻が近づく夕方のことです。ナースステーションの処置台に、使い終わった機材が置きっ放しになっているのが目についてイライラ。「まったくもう!使ったら片付けなさいよ。ゴミも分別されていないじゃないの」と大声で指摘したいのに、そんなこともできず、結局小声でブツブツ文句を言いながら、片付けるのです。

 先日は、ブツブツ言っている声が別の同僚に聞こえていたようで、「あとで片付けますから、そのまま置いておいてください」と言われてしまいました。

 私は子育て中で残業ができないので、夕方になって仕事が片付いていないとイライラしてしまいます。同僚はそんな私に気を利かせて言ってくれたのだと思います。

 処置台に置いたままにしていた人は、忙しくて手が回らなかっただけかもしれないし、私が片付けなくても良いのですが、どうしても目に付くと気になってしまうのです。

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 イライラしている自分を出さないようにしていても、心のなかで文句を言いながら作業しているとイライラが増幅されてしまったり、いつの間にか表情や独り言に出てしまったりして、周囲の人に伝わってしまいます。

 スタッフに片付けるよう指摘することもできず、やらなくても良いのにやってしまうのなら、心のなかの文句を、少し楽しい内容にしてみませんか。

 

 □ 自分に話しかける優しい天使をイメージして、広い心で、自分に言い聞かせてみる。

    「しょうがないなぁ。片付けてあげよう」

 □ 頭のなかで楽しい気分になるBGMを流す。

    例えば運動会の音楽を思い出して、ノリノリで処置台を一気に片付ける。

 □ 時代劇風に「これはなにごとじゃ!」と声に出さずに言ってみる。

 □ その場面を実況中継風にアナウンスしてみる。

    「おっとこれは手ごわい。一気にゴミ箱へ投入だ! いやこっちのガーゼは感染ゴミに仕分けだ!」

 

 やらなくても良いのに、結局手を出してしまうなら、文句が出そうになる前に楽しいセリフが出てくるように準備しておきましょう。

 ▼怒りを和らげる「魔法の呪文」http://www.asahi.com/articles/SDI201703191597.html

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 ささいなことが目に付いて、すぐにカッとなって同僚や上司や患者さんたちについ口を出してしまうヨウコさん。これに対して、ついつい相手に合わせてしまい、自分の気持ちを表に出せないメグミさん。2人が、怒りの感情とうまく付き合っていくためのヒントを、一緒に考えていきましょう。 (ヨウコさんとメグミさんは架空の人物です)

 

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編集部から

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《田辺有理子さんの新しい本が出版されました》

 タイトルは「イライラと賢くつきあい活気ある職場をつくる 介護リーダーのためのアンガーマネジメント活用法」(第一法規、2160円)です。(詳しくはアマゾン:https://goo.gl/sxK6md別ウインドウで開きます

 

<アピタル:医療・介護のためのアンガーマネジメント・コラム>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/anger/(アピタル・田辺有理子)

アピタル・田辺有理子

アピタル・田辺有理子(たなべ・ゆりこ) 看護師・保健師・精神保健福祉士

横浜市立大学医学部看護学科講師。大学病院勤務を経て2006年から看護基礎教育に携わる。アンガーマネジメントファシリテーターTMとして、医療・介護・福祉のイライラに対処するためのヒントを紹介する。著書に『イライラとうまく付き合う介護職になる!アンガーマネジメントのすすめ』(中央法規出版)がある。