[PR]

 冬は小児科外来が混む季節です。様々な理由で小児科を訪れる人も多いと思いますので、今日は小児科のかかり方についてです。

 みなさん経験があると思いますが、何科でも外来は月曜日・土曜日は混みますね。小児科はその中でも朝一番と夕方が混みます。朝診てもらってから登園・登校しようという人もいますし、特に今はインフルエンザワクチンの予防接種を受ける人が多いので、保育園や学校の帰りに寄りたいという人はどうしても夕方になってしまいますね。じっくり診てもらって相談したい、というような時には、月・土曜日や、朝一番・夕方の時間帯は避けたほうがいいかもしれません。もちろん心配なことがあって急ぐ際には、いつ受診しても構いません。

 

 今、熊本市議会の議場に子どもを連れて入ろうとした女性市議のことが話題ですが、小児科受診ではもちろん、病気でない下の子、上の子を連れて来てもいいです。小児科の多くは、小さいお子さんを寝かせておくベッドがあったり、キッズスペースがあったりしますし、予防接種の時に保護者が子どもを抑えないといけないといった時には、スタッフがきょうだいをみてくれることも多いです。それは産婦人科や内科、耳鼻科、整形外科などでも、同様だと思いますが、心配なら受診の前に「○歳の子どもを連れて行っても大丈夫ですか?」と電話しておくと、より安心でしょう。

 待ち時間に咳こんでいる子、熱のある子と隣り合わせで居たくないと思うことがありますね。予防接種や健診を受けに行きたいけれど感染症をもらいたくない、と思ったら、予防接種外来や乳児健診枠がある小児科がいいでしょう。水ぼうそうやおたふく、麻疹、風疹などのお子さんは隔離室で待っていてもらいますが、ふつう小児科は風邪で受診する子を隔離することはありません。熱があって来た子と、予防接種や乳児健診のために来院した子を別々に待つスペースがあればいいのですが、なかなかそうもいきません。そこで、そういった子どうしが接することがないようにしているのが予防接種外来や乳児検診枠です。曜日や時間を決めて予約制にしている小児科が多いのにはそういう理由があるのです。

写真・図版

 

 次に服装ですが、胸やお腹、背中を聴診しやすいように衣服をまくってもらうことがありますから、脱ぎ着しやすい服で受診しましょう。女の子のワンピースは、下から全部まくりあげないと診られないことがありますので、ワンピースでも前開きか上下が分かれている服の方がいいです。それから注射の際、ぴったりした服は不便なことがあります。先日、うちのクリニックに来た子はスポーツ用でピチピチの長袖Tシャツを着ていたので、手首からまくろうとしたらうっ血してしまいました。大きさにも余裕がある服の方がいいです。

 予防接種の予診票は書いておくと時間短縮、いたずら書き防止になります。定期予防接種の予診票は市区町村が配布します。どのようにもらうかは地域によって違います。私の長女の接種では、出生届を出した時に1冊にまとまった予診票をもらいましたが、別の自治体に引っ越した次女の時には、接種時期になると郵送されて来ました。お子さんが1歳になるまでは、受けるワクチンの数が多く、ほとんどの方が同時接種をしています。医療機関に到着してから、予診票を何枚も全部埋めるのは大変です。接種前の体温は、医療機関に着いてから測るように言われることもありますが、それ以外の項目は書いてから持って来てくださると速いです。上のお子さんを連れていると大変な上、いたずら書きをされたり、破られたりすることもあるので注意してください。任意接種のものもあらかじめもらっておいて、書いてくることもできます。

 また、数年ごとに定期予防接種ワクチンが増えたり、推奨される打ち方が変わったりしています。最近では2014年10月に水痘ワクチンが定期予防接種になり、2016年10月にはB型肝炎ワクチンが定期予防接種になっています。日本脳炎については、媒介する蚊が生息していないという理由で対象外だった北海道でも、2016年4月からは日本脳炎ワクチンが定期予防接種化されました。おたふく風邪ワクチンは現在、任意接種ですが、従来の1回だけでなく2回打ったほうがいいと言われています。

 受け忘れがないか、何を打ったらいいのか、自費になってしまうか公費で打てるのかなど、わからなければ聞いてください。海外で生まれたり、転勤の親御さんについて行ったりすると海外で何のワクチンを打ったのか、日本では何を追加で受ける必要があるのかわからない場合があります。これから海外に一定期間住む予定という人も、厚労省のホームページに必要なワクチンが載っています(海外渡航のためのワクチン http://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html別ウインドウで開きます)。わからなかったら外来で確認してみてはどうでしょう。

 

 薬をもらう際、体重を聞かれることがあります。子どもは体重によって飲み薬の量が変わるからですが、わからなければ外来で測ることができます。薬の有無の関係なく、受診のついでに体重を知りたいと思うこともあるでしょう。よほど混雑していなければ、体重、身長ともはかることができますので言ってください。

 最後に、処方箋をもらう際についてです。学校や保育園・幼稚園に行くので1日2回の服用にしたい、という希望があれば早めに言いましょう。子どもの粉薬は1日あたり、体重あたりで計算し、それを2-3回に分けます。ある種の抗菌薬の内服など、3回飲む必要がある薬でなければ1日2回にできます。1日3回飲むように言われた薬を2回しか飲まなかったら、1日分の薬が3分の2しか飲めないことになります。シロップがいい、粉薬、錠剤がいいなどの希望も同じく、先に教えてください。

 

<アピタル:小児科医ママの大丈夫!子育て>

http://www.asahi.com/apital/column/daijobu/(アピタル・森戸やすみ)

アピタル・森戸やすみ

アピタル・森戸やすみ(もりと・やすみ) 小児科医

小児科専門医。1971年東京生まれ。1996年私立大学医学部卒。NICU勤務などを経て、現在はさくらが丘小児科クリニックに勤務。2人の女の子の母。著書に『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』(メタモル出版)、共著に『赤ちゃんのしぐさ』(洋泉社)などがある。医療と育児をつなぐ活動をしている。