東京電力が民法上の時効を理由に福島第一原発事故の損害賠償に応じないことを防ぐため、今回の原発事故の被害に限り、時効を3年から10年に延ばす特例法が4日、参院本会議で成立した。少なくとも2021年3月11日までは、時効で賠償を受けられなくなる可能性がなくなる。月内にも公布、施行される。

 また、不法行為の時から20年が過ぎると損害賠償を求める権利がなくなる民法の「除斥期間」についても、今回の原発事故に限り「損害が生じた時から20年」とし、甲状腺がんなど、一定期間を経てから現れる損害に対応できるようにする。

 21年3月以降については、衆院文部科学委員会が11月27日に「必要があると認めたときは、法制上の措置を含め所要の措置を講ずる」と決議。再延長に余地を残すよう政府に求めた。

 避難指示区域内の約16万人中、約1万人が東電に賠償請求していない。それ以外の地域でも、営業損害や自主的避難費用を請求していない被災者が多く、日本弁護士連合会は請求権があるのにしていない人が100万人近くいるとみている。今後は請求者の掘り起こしが課題となる。