帰ってきた食べテツの女
「食べテツ評論家」の荷宮和子さんが全国各地の駅を巡り、駅弁や立ち食いそば、お菓子などのB級グルメを食べまくります。ほろ酔いになる「飲むテツ」も時々、あります。(2018年末まで休載します)
そう意気込んで、JR中央線の小淵沢駅(山梨県北杜市)で下車した。信州の郷土料理「鶏の山賊焼き」をつかった、駅そば店の名物「山賊そば」を食べるためだ。 が、山賊そばは、すでに品切れだった。やり場のな…[記事へ]
改装後に最初に訪問した時は、ためらうことなく、きしめんを食べ、「相変わらず、おいしい!」と確認したのだった。が、もうひとつ気になるメニューが存在していた。「ポンポコラーメン……!?」 壺屋と言えば…[記事へ]
が、それは勘違い。私が食べてきたのは、JR名古屋駅構内のレストラン街「名古屋うまいもん通り」にある台湾料理の名店「味仙(みせん)」の「台湾ラーメン」(810円)だ。 ひき肉とニラとモヤシを炒めて麺…[記事へ]
「倉敷うどん……、私は聞いたことないなあ」 ググるより食べろ、の精神で食券の券売機をチェックする。店名にもあるように、倉敷名物のご当地うどんとされる「ぶっかけ」系を売りにした店のようだが、「湯だめ…[記事へ]
確かに、「うどん県」に来て、あの風情ある店舗を見てしまったら、素通りすることは難しい。 食べずに帰ったら、後々まで後悔することは必至だ。なので私も、もちろん入店。ここは普通の駅そば店とは異なり、「…[記事へ]
この欄での食べテツの紹介が、「≒葬式テツ(廃線や車両引退など、鉄道関連の「終末」を見届けること)」になってしまうことが多い実情を思うと、5年なんて、まだピッカピカの新人だ。うれしくなって店内に入る…[記事へ]
ところがいまは、とにもかくにもブリ。ブリ大根やブリの照り焼きが、うまくてたまらない。そうなったきっかけのひとつが、北海道の「冬の天然寒ブリご出世弁当」という駅弁だった。これでブリのポテンシャルに目…[記事へ]
「JR西日本 駅ナカ限定 瀬戸田レモンCHU-HI(チューハイ)」。なので、迷わずゲットしてみたのだが、思わず、「すっぱ!」。酸っぱさのせいで、お酒を1本飲みきれないかも知れないと思ったのは、初め…[記事へ]
JR新潟駅南口の駅ビル、CoCoLo西館にある「越後のお酒ミュージアム ぽんしゅ館新潟店」で売られている「爆弾おにぎり」だ。 駅3階の改札口に直結した通路を歩いてゆくと、新潟の名産品を集めたお店に…[記事へ]
食べテツ旅をしていると、そんな場合がままある。なので、本欄で以前に紹介した、JR松山駅(愛媛県)の名物駅弁「醤油(しょうゆ)めし」のご飯でつくったおにぎりに遭遇したときは、「そうそう、これなんだっ…[記事へ]
うんざりさせられる、そいつの名は「胃もたれ」。私は大食いと思われているふしもあるが、胃袋のキャパは常人なみだ。気になるものを適量ずつ、ことほぎながら味わっているだけだが、気になるものがありすぎるか…[記事へ]
牛肉の世界では空前の赤身肉ブームが続いている。「サシ(霜降りの脂肪)もいいけど赤身もね」というわけだ。 豚肉の世界で、それに相当するのがヒレだ。そして、その魅力を発揮する最強の食べ方こそヒレカツな…[記事へ]
私がJR大崎駅(東京都品川区)の「あずみ」で猪と付き合うようになってから3年目の昨年末。店頭ポスターを見ると、例年通り、よく煮こまれたお肉が麺の上にたっぷり載っている。千葉県産あじさい葱(ねぎ)も…[記事へ]
しかしそれが仮に、大都会のアスファルトを突如、突き破って咲き誇るラフレシアの花のように、あからさまにあざとく、これみよがしなものであっても、はまってしまうのが人情の常である。 そんな罠がJR大阪駅…[記事へ]
手に取ると、袋の外側からでも、まだ、ほのかにあたたかい。八高線と記念撮影したかったので、ホームに向かう。高崎駅の中ではここが、ちょっとした「ちぃさいおうち」気分にひたれて落ち着ける場所なので好きな…[記事へ]
都心を中心としたJR東日本のスタンプラリーは、いまや冬の風物詩だ。最近は外国人観光客まで駅でスタンプを押している光景を見かける。 もちろん私もアニメのガンダムは、1979年に放映された第1話の「人…[記事へ]
改札外にある「箱根ベーカリー」のカフェだ。 有名パン店なので、パンを食べている人が多いが、せっかくイートインするなら、店内の石窯で焼いたピッツァをこそお薦めしたい。…[記事へ]
あるとき、ふとしたはずみで、そば屋でカツ丼を頼んだら、「辛い! なぜ!?」。関西人にとって、東京のそば屋のメニューは、「かえし」をベースとした「エスニック料理」なのだと、そこで悟った。 エスニック…[記事へ]
なので、都内の駅そば店でも、うどんを頼んでいるわけだが、関西人としては、やはり釈然としない点がある。 「麺が主張しすぎ!」…[記事へ]
何事かというと、JR東京駅構内にあるタイ料理店「マンゴツリーキッチン グランスタ」のメニューがプチ・リニューアルされ、「パクチー大盛り100円」が堂々と仲間入りしていたのだ。 JR大宮駅にある系列…[記事へ]
なので、駅員さんが猫をモチーフにして考案した人気キャラ「にゃっぽり」を擁するJR日暮里駅(東京都荒川区)では、同月15日から28日まで、改札内のエキュート限定の「にゃっぽり」商品が販売されていた。…[記事へ]
ならば食べてみようか、という気になるではないか。 ここのイートインで食べられる親子丼は、ぷりっぷりの名古屋コーチンが結構ごろごろ入っている。なにより素敵(すてき)なのが、名古屋コーチン入りつくねの…[記事へ]
その店内の、かなり大きなスペースを使って、特製付箋(ふせん)紙がもらえる「伊豆柑橘(かんきつ)ゼリー・プレゼントキャンペーン」が行われていた。伊豆でとれた各種の柑橘類のゼリーが、スタンディングパウ…[記事へ]
あえて不ぞろいに切られた麺の喉(のど)ごしがよく、つゆもおだやか。伊豆名産の椎茸(しいたけ)をうま煮にして、どっさり載せた「椎茸そば」が名物だ。 だが、三島は「みしまコロッケ」の里でもある。なので…[記事へ]
「11時まで食べられるのか……いいね!」 焼き鮭(じゃけ)定食や目玉焼き定食(各600円)もあったが、ここはやはり、850円もするラスボス格の「朝の和定食」(焼き鮭、目玉焼き、ソーセージ、納豆、ご…[記事へ]
「あの小さいおうちのことか!」。そう、そのお店「新潟庵(あん)」は、「え! どうしてこんなとこあるの!?」と言いたくなるほどホームの端っこにある。カウンターのみ、5人ほど並べば、いっぱいだ。 私が…[記事へ]
「沼津港あじひものまぶし弁当」(540円)。新発売のPOPもある。だが、そのわりには地味な売り場だ。白いご飯の上に、焼いたアジの干物の身をほぐして、まぶしてあるという仕様のため、中央部の大葉と梅干…[記事へ]
お伊勢さん(伊勢神宮)にお参りに来た人たちに振る舞われたうどんがルーツだそうだ。疲れた旅人でも食べやすいように、とても軟らかく煮込んであるという。「いくらなんでも軟らかすぎるんじゃないの?」という…[記事へ]
粋でおしゃれな洋風総菜やスイーツの店舗が並ぶ。カフェはもちろん、みんなが大好き、スターバックスだ。 朝ごはんを食べ損ねたり、電車の発車時刻が迫っていたりするビジネスマンにお薦めのメニューなるものも…[記事へ]
その中核となるJR大宮駅の西口コンコースに昨春、JR東日本グループの鉄道グッズ専門店「ジェネラルストアレールヤード」がオープンしていた。 先日、初めて訪れたとき、ウナギの寝床のような入り口に、「え…[記事へ]
何年も前からメニューに登場してはいたのだが、期間限定扱いだったので、紙面で紹介すると、「行ったけど、ないじゃん!」状態にならないよう、ちょっと様子見をしていた。具材や値段も、ちらほらマイナーチェン…[記事へ]
その一角に、ちょっと大きめなコンビニ「ベルマート」がある。各種弁当も充実していて、改札内では見かけないものにも出会える。一番キャッチーだったのが、「太秦(うずまさ)ロケ弁当」(1010円)。掛け紙…[記事へ]
そう思っている方には、在来線の13・14番ホームにある立ち食い処「麺家」の「しょうゆ麹(こうじ)の温玉おかかご飯定食」(520円)をお薦めする。 その内容は、まず、きつねうどん。東京の蕎麦(そば)…[記事へ]
ひゃくまんさんとは、石川県の観光PR用のゆるキャラだ。その姿は郷土玩具の「加賀八幡起上(おきあが)り」をベースとして、加賀友禅だの金箔(きんぱく)だの石川県の文化的要素がてんこ盛りになっており、か…[記事へ]
つゆや具材が、果たして、うどんとそばのどちらに合うかは、食べる前にはわからない。列車の乗り継ぎ時間との兼ねあいもある。食券の券売機の前で、「ここが思案のしどころぞ!」と悩んでいる余裕は、あんまりな…[記事へ]
要するに、酒飲みの舌である。茹(ゆ)でホタルイカを食べるときも酢味噌(すみそ)はつけず、イカワタの部分を堪能する。そんな子供だったのである。 あれから半世紀……。…[記事へ]
大抵は食べやすい、ひと口サイズに切られていて、「おつまみセット」と名付けられていることもある。形がそれっぽくないだけで、内容は刺し身パックと同じ。いろんな魚が交ざっていると、ちょっとした福袋状態で…[記事へ]
それは、麺といいスープといい、「ラーメン=腕組みした強面(こわもて)の店主の店に行列して食べるもの」というイメージが一般的になる以前の味のラーメンであることが多い。 そういう普通のラーメンをこそ食…[記事へ]
「なんでやねん!?」 どうやら、中之島エリアの活性化を目的としたイベントで、一昨年から時々、開催されているらしい。ならば、食べテツ&飲みテツの女の私もお手伝いせねばなるまいと思い、駆けつけた。…[記事へ]
かたや、JR西日本には、ハートインというコンビニチェーンがあったが、最近、大手との業務提携で、「セブン―イレブン ハートイン」になってしまった。なので、サンドイッチやおにぎりの棚を見ても面白くなく…[記事へ]
そこには、食べテツ&飲みテツに加え、鉄道がらみキャラクターを愛するキャラテツでもある私にとって、「これしかない!」と思える奴がいた。奥のとトロッコ鉄道(石川県能登町)のキャラ「のトロ」をフィーチャ…[記事へ]
私には、愛さずにいられないおじさんが、ひとりいるんです。逢瀬(おうせ)は限られているから、会えるとなったら居ても立ってもいられない。食べてしまいたいくらい好き……、なので、食べてますけど。 その名…[記事へ]
先月下旬、JR富山駅で降り立った私は、針の束のように皮膚を突き刺す直射日光に恐れをなして外へ出られなくなり、みやげ物売り場の「とやマルシェ」に逃げこんだ。その一角に、あの「西町大喜(にしちょうたい…[記事へ]
それが証拠に、以前、JR長野駅で新幹線改札を出たら、在来線コンコースの丸い柱がすべて、1736年創業の地元の唐辛子メーカー、八幡屋礒五郎(やわたやいそごろう)の広告にジャックされていたことがあった…[記事へ]
平成も終わりかけている、この期におよんで、地味ながら着々と侵略に血道をあげている帝国を私は知っている。 山形ラーメン帝国――札幌でも福岡でもなく、山形こそ食文化が中華麺に支配されたラーメン帝国なの…[記事へ]
「イセ野カツオ」 伊勢限定とおぼしき、その商品、袋には、学生帽をかぶった魚類のカツオのイラストが描かれている。尾びれは、あの一家に飼われている「タマ」を彷彿(ほうふつ)させる白猫にかみつかれていて…[記事へ]
神戸出身のアラフィフ文筆家。大学卒業後、アパレルで企画の仕事をしていたが、1993年に大塚英志氏との共著『少女民俗学 パート2 クマの時代』(光文社カッパサイエンス)を発表。95年の『おたく少女の経済学』(広済堂)は、オタク・マーケットをテーマにした先駆的な研究書だった。
本来の肩書は「女子供文化評論家」。鉄道、漫画、宝塚にも造詣が深く、とくに宝塚本は多数、出版している。また、デパ地下にも精通していて、「TVチャンピオン」(テレビ東京系)の「デパ地下王選手権」に出場したこともある。『バリバリのハト派―女子供カルチャー反戦論』(晶文社)、『なぜフェミニズムは没落したのか』(中公新書ラクレ)など、硬派のテーマも論じている。
「食べテツ」は、「駅弁」「駅構内の立ち食いそば」「ニューデイズ」など細分化していたマニアの領域を統合する概念として立ち上げた造語。大食いの人と誤解されがちな食欲を武器に、「食べテツの女」として日々、鉄路をさすらっている。