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「雨ニモマケズ」のモデル再評価の動き 岩波から自叙伝

「二荊自叙伝」の基になった宗次郎の日記。風景や人物の絵も多い=京都市北区で
「二荊自叙伝」の基になった宗次郎の日記。風景や人物の絵も多い=京都市北区で

 詩人で童話作家、宮沢賢治の代表作「雨ニモマケズ」のモデルではないかと言われるキリスト教伝道者、斎藤宗次郎(1877〜1968)の自叙伝が来春、岩波書店から出版される。宗次郎は新聞配達業に励みつつ、出会った人々の悩みに耳を傾け、地域の人たちから慕われた。日記には賢治との交流が克明に記録されている。15日から新聞週間。

 宗次郎は岩手県花巻市に生まれ、地元の小学校教諭となった。無教会主義キリスト教者の内村鑑三に影響され、23歳でキリスト教に入信。が、小学校で聖書や鑑三の日露非戦論を教え、退職に追い込まれる。約20年間の新聞配達業の後、1926年に上京。鑑三の弟子として伝道を手伝い、その最期をみとった。

 自叙伝は「二荊(にけい)自叙伝」と題され、B4判原稿用紙約1万枚に及ぶ。装本されており、全40巻。「二荊」とは、荊(いばら)の冠をつけて十字架にかけられたキリストに続き、自分も苦難を引き受けるという意味だ。21歳から死の直前まで書いた膨大な日記を基にまとめた。

 今回、山折哲雄・国際日本文化研究センター所長と栗原敦・実践女子大教授が、自叙伝の1921年から26年までの記述を編集した。

 宗次郎は新聞配達を「天職」と感じていた。東京朝日や万(よろず)朝報など十数種類の新聞を配達し、「人々の心も察せられる。此世の状態を知り得らるる」と書く。朝3時に起き、雨の日も風の日も、6、7貫(1貫は3.75キロ)もある大風呂敷を背負い、駆け足で配達に回る。

 配達や集金の際には、病人を見舞い、道ばたで遊ぶ子供たちに菓子を分けた。相談にも誠実に応えた。当初はキリスト教信者だからと、石を投げられるなど迫害を受けたが、次第に人々の信頼を集めた。「花巻のトルストイ」と呼ぶ人もいた。配達業をやめて上京する時は、駅に名士や住民200人以上が見送りに駆けつけたという。こんな姿が「雨ニモマケズ」のモデルでは、と言われるゆえんとなった。

 今回出版される21年から26年までは、花巻農学校教諭だった賢治と親交を深めたころだ。

 山折所長は「宗次郎こそ『雨ニモマケズ』のモデルでは。日記は、鑑三や賢治研究の重要な資料で、時代を知る貴重な証言。再評価すべきだ」と話す。日文研では、宗次郎をテーマにシンポジウムも計画中という。 (10/16)


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