新劇や商業演劇で幅広く活躍した劇作家、八木柊一郎(やぎ・しゅういちろう、本名・伸一=しんいち)さんが14日、直腸がんのため神奈川県茅ケ崎市の病院で死去した。75歳だった。通夜は18日午後6時、葬儀は19日午前11時から同県藤沢市大庭3761の藤沢市斎場で。喪主は妻●子(れいこ、「●」は「ネ」の右に「豊」)さん。自宅は公表していない。
旧制高校在学中に同人誌に作品を発表し始め、55年、文学座「三人の盗賊」でデビュー。以来、青年座、文学座などに幅広い作品を書き下ろした。小説の脚色も多く、商業演劇の脚本や、テレビドラマも多く手がけた。
87年、家族を通して日米関係や昭和史を見つめた「国境のある家」で紀伊国屋演劇賞個人賞。女性2人の戦後史を描いた「メリー・ウィドウへの旅」などで95年度芸術選奨文部大臣賞を受けた。今年3月上演の文化座「天国までの百マイル」(浅田次郎原作)の脚本が最後の作品となった。
(06/14)
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