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国語教科書から消えた名作 復活本が親世代に人気

教科書の雰囲気のまま、本になって復活した「チックとタック」(手前)と「おじさんのかさ」
教科書の雰囲気のまま、本になって復活した「チックとタック」(手前)と「おじさんのかさ」

 「チックとタック」や「おじさんのかさ」など、小学校の国語の時間に親しまれた物語が、教科書から姿を消している。国語の授業時間が減ったうえ、話す力や聞く力を育てることが重視され、掲載できる読み物が減っているためだ。消えた作品を教科書出版社がまとめて本やCDにしたところ、「子どもに読ませたい」と親世代の人気を集めている。

 夜、大きな柱時計から出てきた2人の子どもが様々ないたずらをする「チックとタック」。つまみ食いしたスシのわさびに苦しむと、寝たふりをしていたおじさんが笑い、驚いて時計に逃げ込む――。光村図書出版の小学1年の教科書に65年度から登場した。千葉省三さんの作品で、挿絵は安野光雅さんの書き下ろし。だが、85年度を最後に見られなくなった。

 ほかに、教室の床穴に落としてしまった女の子の消しゴムをガキ大将が取りに行く「太郎こおろぎ」など、118作品をまとめた「光村ライブラリー」(全18巻)には、同社の教科書から消えた作品が、一部を除き、当時の構成のまま再現されている。

 02年の発行当初は学校向けだったが、30、40代の母親らから「もう一度読みたかった」などと問い合わせが相次ぎ、昨年から一般書店でも扱い、計約14万2千冊売れた。

 きっかけは02年度から実施された学習指導要領だ。国語は時間数だけでなく、全授業に占める割合も減った。内容も「話すこと・聞くこと」「書くこと」に続いて、「読むこと」は最後に置かれた。「教科書から文学作品が減っていく現状に危機感を感じた」と同社開発部の黒川弘一部長。

 教育出版も今年3月、自社の教科書から外れた作品を中心に、朗読CD付きの「心にひびく名作読みもの」(全6巻)を出した。りっぱな傘をぬらしたくないおじさんが、初めて傘を広げた様子を描いた佐野洋子さんの「おじさんのかさ」など38作品を学年別にまとめた。

 教科書に残り続けるにはハードルも多い。「男のくせに」などという表現が性差を誇張していると指摘されて外れた作品や、ゴム風船を飛ばす挿絵が環境破壊につながるとされ、自然分解するエコ風船に挿絵を代えて復活をめざす作品もある。

 「教科書と児童文学」の著者の向川幹雄・兵庫教育大名誉教授は「無難な作品を選ぶ傾向が強くなっている。会話する力や情報処理の方法など国語に求められる役割は増えており、掲載できる文学作品が減るのはやむを得ない。だが、文学には生き方の原型を伝える力がある。いい作品は残さなければならない」と話す。 (09/29)


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