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JTBの人気ガイドブック「るるぶ」の「我が街」版が、相次いで出版される。昨秋発売された「るるぶ練馬区」が予想を上回る約6万部のヒット。6日に中央区、8日に川崎市、11月には大田区版も出版される。
発端は、練馬区商工観光課の若手職員の思いつきだった。区のPR誌は硬い内容になりがちで、配る場所も公共施設などに限られる。「いっそ出版社に頼んで書店で売っては」と考えた。
企画を持ち込まれたJTBパブリッシングの担当者は「これほどの狭域版は初めて。正直、不安でした」と振り返る。同社は都道府県や観光エリアごとに約200種類のるるぶを発行しているが、観光イメージが薄い練馬区を取り上げるのには反対もあった。だが、情報収集や広告主の紹介など、区が協力を約束したため、「住民向け情報誌という新たな市場が開拓できる」と踏み切った。
特定の店舗などをえこひいきできない自治体に代わり、「見る・食べる・遊ぶ」の情報をふんだんに盛り込んだ。夜景がきれいな区役所展望レストランなどの隠れた名所や、漫画家の松本零士さんなど意外な住民も取り上げた。住民向けに公共施設の案内や交通ガイドにもページを割いた。
区内を中心に書店やコンビニで販売を始め、1カ月で目標の4万部を突破した。上京する学生の親や転出した出身者からの注文も舞い込み、1年で6万部を売り上げた。
これを知り、他自治体も色めき立った。
練馬区とほぼ同じ人口を抱える大田区は、区長の号令の下、高級住宅地の田園調布と町工場が混在する町並みや、蒲田のギョーザ、航空宇宙部品など世界ブランドをアピールする内容にした。
既存のガイドブックでは「横浜のおまけ」的な扱いだった川崎市も「工業、灰色のイメージ脱却の起爆剤に」と手をあげた。7月に完成した音楽ホール「ミューザ川崎」を前面に出し、「芸術と緑の街」を売り込む。
すでに「るるぶ銀座」がある中央区も「銀座や日本橋は有名でも、それが中央区とは全国に知られていない。月島や晴海を含めた区を丸ごと紹介したい」。区観光協会が600万円を出し、早期発売を後押しした。
JTB側によると、首都圏のほか全国の主要都市から問い合わせがあり、出版の準備が進んでいるという。小松田淳編集長は「どの街にも知られざる良さがある。話があれば前向きに検討したい」と話している。
(10/06)
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