【若松真平】大学入試シーズン真っ盛り。試験を控えた受験生はもちろん、「何とか力になってあげたい」とヤキモキしている保護者も多いのでは? 手作り料理で力づけてあげるっていうのはどうでしょう?
有名大学への進学実績で全国的な知名度を誇る「ラ・サール学園」(鹿児島市)の寮の食事を紹介したレシピ本が、2012年12月に出版された。帯には「脳とからだによく効くごはん!」。秀才男子を育てる料理とは本当なのか? 社食ならぬ「寮めし」を調べに、鹿児島へ向かった。
鹿児島空港からバスに乗ること50分。バス停を降りてしばらく歩くと、建物に「LA SALLE」の文字が。これが東大をはじめとした有名大学や医学部への高い合格率で知られる中高一貫の男子校だ。
実は記者は鹿児島出身。県外出身者が多く、県内で突出して偏差値が高かったこの学校とは縁遠く、部活の試合で一度訪れたことがあるのみだった。いざ、ラ・サールへ。副校長の谷口哲生さん(65)に話を聞いた。
――ラ・サール学園を知らない人のために、簡単な紹介をお願いします。
「カトリックの教育修道会ラ・サール会によって1950に高校が設立されたのが始まりです。全寮制ではありませんが、県外出身者が多いこともあり、中学は522人中325人、高校は694人中224人が寮生活をしています。高校3年生になると寮を出て学校指定の下宿に移るので、高校生は数字が少なくなっています」
――なぜ寮を出るのですか?
「中学の寮は23時、高校の寮は24時に消灯し、朝の5時までつきません。受験が近づくなか、勉強時間が足りなくなるからです」
――なるほど。寮生活って大変そうですね。
「中学生は8人部屋で、高校になると個室になります。携帯電話やゲーム機、テレビやパソコンは持ち込み禁止です。それもあってか、部活動への加入率は中学で9割、高校で8割と高いです」
――私が学生なら耐えられそうにありません。
「覚悟して来ている生徒が多いからか、すぐに慣れます。私もそうでしたから」
――谷口さんもOBですか?
「はい。今から50年ほど前、福岡の親元を離れて高校から入りました。当時は市民の方から『電車内で生徒の下駄(げた)で足を踏まれた』といった苦情が来たこともありました。バンカラな気質や、寮生どうしの絆の強さは変わってないですね」
――秀才を育てる秘訣(ひけつ)といわれている「寮めし」の話を教えてください。
「寮生の食事の時間は、朝が7時半から30分間、昼は12時40分から30分間、夕食は17時半から1時間15分と、決まっています。時間になると生徒が一斉に食堂に集まります。お昼はテーブルに料理が並べられた状態で準備されていて、座席も決まっています。詳しいことは栄養士の原口めぐみさん(46)に聞いてみましょう」