ベトナムの代表的株価指数「VN指数」は年初から約2割上昇した。ただ、リーマン・ショック前の2007年の高値からは依然として半値水準にとどまっている。多くの東南アジア諸国が同時期の水準を大きく超えて上昇しているのに比べ、出遅れ感が強い。
株価の重しとなっているのが景気の先行き不透明感。ベトナムの12年実質国内総生産(GDP)は前年比5・0%増と、アジア通貨危機の影響を受けた1999年以来、13年ぶりの低成長。金融引き締めにより不動産市場が冷え込み、企業の資金繰り悪化などが主な要因だ。今年4〜6月期のGDPも市場予想を下回る伸びにとどまった。
対策としてベトナムの中央銀行は、10年末に本格化した金融引き締め策を転換し、12年3月から金融緩和を進めてきた。また、政府は法人税や付加価値税の引き下げを柱とした景気刺激を急ぐ。
こうした施策を阻むのが不良債権問題だ。国営企業は高い信用力を背景に銀行から融資を引き出し、事業の多角化を図ったものの相次いで失敗。不良債権を膨張させ、銀行の貸し渋りをもたらした。中銀が正式に数値を公表した12年9月時点の融資残高に対する不良債権比率は8・8%にのぼり、政府の危機感は強い。
政府は不良債権処理を進める機関の設立など、対策に本腰を入れ始めた。同問題への不安が払拭(ふっしょく)された時、景気刺激策に後押しされた株式相場の本格的な上昇が始まるかもしれない。
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