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■千田精密工業(金属加工業)
【畑川剛毅】腕利きの社員は貴重な戦力。育てたら辞めてほしくないはずだが、千田(ちだ)精密工業(岩手県奥州市)の千田伏二夫(ふじお)社長(67)の考えは正反対。「社員は40歳までに独立して一国一城のあるじになるべきだ」が信念だ。これまでに9人が独立・起業した。
千田社長自身が一旗組。職業訓練校を出て16歳で地元の大手通信機器メーカーに入り、金属加工の腕を磨いたが、会社の内紛に嫌気が差して33歳で独立。取引先を大手企業に絞って難しい加工に挑戦し、売り上げを伸ばしてきた。自動車レースの最高峰F1のエンジン部品を作ったり、「摩擦攪拌(かくはん)接合」という難しい溶接の特許使用権を日本の中小企業として初めて取得したりと、技術力は折り紙付きだ。