7月1日発表の日銀短観によると、今年度の大企業の設備投資は、前期に比べて5・5%増加する見通しです。前回調査の2・0%減から大幅に上方修正されました。企業の景況感は確実に改善しつつあります。
設備投資となればカネ。調達方法は、金融機関からの借り入れや社債の発行と新たに株式を発行して投資家から集める増資に大別されます。増資は前者と違い返済する必要がない分、より高い利回りを要求されるのですが、今年に入って増資が急増しているのです。
東洋経済の集計によると、今年1〜7月の増資企業は145社、調達金額は大型上場のサントリー食品インターナショナルを除いて3144億円で、昨年1年間の調達金額3228億円の97%に達します。
調達額が200億円を超えた主な企業の資金使途は、電通が企業・事業買収、大和ハウス工業が不動産開発、オリンパスが生産能力増強、イオンモールが店舗新設と、いずれも業容拡大が目的です。
株数が増えると、当面の1株当たり利益が減るため、株価にはマイナスです。実際、大和ハウス、オリンパスは増資発表の翌日に株価が下がりました。
裏を返せば、こうした目先のマイナスを織り込んだ上での増資は、「将来、株式増加前の1株当たり利益を上回る」という自信の表れと言えそうです。
実際にモノとカネが動かなくてはデフレ脱却ができないことを考えると、増資の増加はよい兆候です。(「会社四季報」編集部)
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