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実質金利ゼロ継続の帰結

2006年12月20日

 日本の実質短期金利の水準はゼロ前後という状態が長く続いているが、このことは先行きの日本経済にどのような帰結をもたらすのだろうか。

 第1の可能性はゼロ金利が設備投資を過熱させ経済活動の振幅をもたらすことである。この可能性は、現実の物価上昇率が一向に高まってこないために、現状ではいまひとつ現実感をもって受け取られていないが、ロジックとしては十分理解できる。

 第2の可能性は円キャリー・トレードを促進するとともに、最終的にはキャリー・トレードの巻き戻しにより金融市場の不安定化や為替レートの急激な円高進行をもたらすことである。その場合、実質金利ゼロを継続することは持続的な経済成長にはかえってマイナスに働く。円の実効為替レートが20年来の円安水準になっていることに示されるように、この可能性も否定できない。

 第3の可能性はゼロ金利が相対的に効率の低い投資を促進することによって生産性を引き下げることである。日本は経済成長率では米国を下回るが、設備投資の対GDP比率は今なお米国を上回っている。過大な投資は国内投資の収益率をさらに引き下げる。実質ゼロ金利は当面の投資支出の増加と収益率引き下げという両面の効果を有するが、後者を通じて国内の投資機会を徐々に減少させている。恩恵に浴しているのは生産性の低い企業であり、日本のグローバル企業はますます海外投資に向かうことになる。

 ゼロ金利の帰結という点では、第1、第2の可能性もさることながら、第3の可能性も気になる。もちろん、経済に大きなショックが加わる場合には、金利を引き下げることによって、効率性が低くても投資促進を図ったことには意味はあった。しかし、既にショックは過ぎ去っており、対症療法を続けているのは奇異である。経済運営の大きな哲学が問われているのではなかろうか。(薫風)

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