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劣化する労働条件

2007年01月20日

 労働時間の国際比較を見てみよう。週50時間以上働いている労働者が日本28%、アメリカ20%、イギリス15.5%、ドイツ5.3%、フランス5.7%、イタリア4.2%である。

 次に年間休日数は日本がアメリカと同様で127日、イギリス137日、ドイツ143日、フランス140日である。

 最低賃金を含め統計の多くは、先進国のなかでは日本の労働条件がよくないことを示している。この労働時間の長さや、有給休暇を取得しない(できない)という現実は、残業手当が欲しいからなのだろうか。そうではないだろう。

 家に仕事を持って帰る風呂敷残業を含め、日本のサラリーマン(特にホワイトカラー)に「無給の残業」がとても多いことは、少し職場の事情を知っている者なら、すぐに気がつくことだ。現実の忙しさはもとより、人事評価では「会社への姿勢」や「仕事への姿勢」がカウントされるので、ますます帰れなくなっているのである。もうずっと前から多くの日本のサラリーマンの残業手当は労働基準法から事実上「適用除外(エグゼンプション)」されている。

 労働法制の改定案から「エグゼンプション」が削除されるのは、けだし当然といえよう。残業の規制は36条協定の運用で事足りる。労働法制の改定は残業手当の割増率と最低賃金の引き上げを決めれば十分であろう。

 経済財政諮問会議は正社員(組織労働者)への攻撃を強めている。彼らが非正規雇用者よりも相対的に恵まれていることは事実だが、賃金をはじめとして近年、正社員の労働条件もまた急速に劣化していることは各種データで明らかになっている。日本経団連はしきりと国際競争力を主張しているが、これだけ先進国のなかで悪い労働条件下にありながら、なお競争力がないとするなら、問題は経営者の能力にあると思えてくるのである。(遠雷)

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