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末吉竹二郎のCSR入門 第5回 CSRで危機をチャンスに

 わが国には「不言実行」を美徳とする伝統がありますが、ことCSRに関しては「有言実行」こそが大切であると、私は思います。はやりの言葉で言えば「見える化」、すなわち自分たちのCSR活動、環境対策などを分かりやすい形で公表する。それを私たち消費者がチェックし、評価し、サポートするという仕組みができれば、それは競合他社の行動を促し、業界全体の変化につながっていくからです。

 その意味では、今まさに皆さんが見ていらっしゃるこのサイトにも、CSRの「見える化」の新たなチャネルとして、大いに期待しています。特にインターネットというメディアの双方向性は重要で、消費者からの直接のフィードバックは、プラスの評価もマイナスの評価も含めて、企業にとって貴重な情報となるに違いありません。

 私はこの連載の初回に、景気が悪く経営が苦しいときだからこそ、CSRが大切だと述べました。でも本当は、大変な状況にある今こそ、CSRをテコに経営を変える大チャンスであるというべきでした。

 大企業が軒並み大きな赤字を計上するなど、日本企業は文字通りショック状態にあります。誰もが、これまでのやり方の延長線上にある、小手先の改革では乗り切れないと感じているはずです。ここから立ち直るために、どんな大鉈を振るうか。CSRの視点は、そこで大きなヒントを与えてくれるに違いありません。

 ところで、CSRの主要テーマである環境対策について、再び考えてみましょう。この分野においてわが国はオイルショック以来、省エネ技術や新エネ技術のトップランナーでした。ところが、例えば太陽光発電の導入に関して、ここ数年でドイツにあっさり追い越され、他の国々もそれに続きそうな勢いです。これまで環境対策に後ろ向きと思われていたアメリカも、オバマ政権がグリーン・ニューディール政策を打ち出した今、一気にトップに躍り出る可能性は高い。日本は、優等生だった過去にあぐらをかいている限り、置いていかれるのは目に見えているのです。繰り返しになりますが、CSRは企業だけの努力で実現するものではなく、行政、そして消費者・市民がそれぞれの責任を担ってこれをサポートしていかなければなりません。100年に1度の危機を、100年に1度のチャンスに変えられるかどうか。それは、この三者が一体となった取り組みにかかっています。

末吉竹二郎
国連環境計画 金融イニシアチブ特別顧問
東京大学経済学部卒業後、三菱銀行入行。三菱銀行ニューヨーク支店長・取締役、東京三菱銀行信託会社(N Y)頭取、日興アセットマネジメント副社長を経て、国連環境計画金融イニシアチブ特別顧問に就任。著書に『最新CSR事情』(泰文堂)、『有害連鎖』(幻冬舎)、『カーボンリスク』(北星堂書店)など。TBS「みのもんたの朝ズバッ!」月曜レギュラーコメンテーターとしても活躍中。

CSR活動の現場から

Strategic Philanthropy Forum 2009
〜 Cash&SalesとCare&Solidarity 両立の時代へ 〜

企業と社会がともに進化できるCSR活動を
日本アイ・ビー・エム株式会社

知っておきたいCSRの今〜社会的な信頼度をあげるために〜

第6回 「サステナビリティ」とCSR(2)

写真:薗田綾子

薗田綾子
株式会社クレアン 代表取締役

 前回のコラムで「サステナビリティ」について説明したが、ここでポイントになるのは「地球の限界」という捉え方である。このままの経済社会の延長線上では、地球上の人口増加のスピードに食料や水、エネルギーの需要は追いつかず、近い将来には地球の生態系(生命維持システム)がオーバーシュートし崩壊してしまうと言われている。...

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