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知っておきたいCSRの今〜社会的な信頼度をあげるために〜 第1回 CSRの定義とその社内浸透の妙案

 「新しい責任の時代」というキーワードが、オバマ大統領の就任演説の中でも語られた。まさに、企業だけではなく、個人個人、そしてさまざまな組織が社会的責任を果たす時代となってきた。

 日本語としては、CSRは「社会的責任」と訳され、責任という側面がクローズアップされているが、CSRのR(Responsibility)を英和辞書でひくと、「責任、責務」という言葉のあとに「信頼度」という訳がでてくる。私は、CSR活動を単に「責任」と捉えずに「企業の社会的な信頼度をあげる活動」と訳している。つまり、企業を取り巻くさまざまな利害関係者(ステークホルダー)が誰なのかを考え、その人々との信頼関係を構築するための活動である。

 定義づけには様々なものがあるが、欧州マルチステークホルダー・フォーラムでは 「CSRとは、社会面および環境面の考慮を自主的に業務に統合すること。それは、法的要請や契約上の業務を上回るものである。」としている。2010年に発行されるISO26000では、「組織の活動が、社会と環境に与える影響についての責任であり、次のような透明で倫理的な行動をいう。持続可能な開発等への貢献、ステークホルダーの期待への配慮、法令の遵守と国際規範の尊重、組織全体に統合され実践される行動。」としている。

 日本企業の場合は、経営理念に、「事業活動を通じて社会に貢献する」とか、「社会のお役立ちを実践する」などといったフレーズが入っている企業も少なくない。そうした場合には、経営理念を実践することと言い換えてもいいが、具体的に行動するための原理原則が全社員に共有化される必要がある。ところが、CSRという言葉は、その意味や範囲があまりにも広く深いために、各企業での浸透や活動は十分でないようだ。

 そこで、クレアンではCSRという言葉を使わずに社内浸透を図ることを提案している。 例えば、任天堂では、CSR活動を「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする活動」とわかりやすい言葉で伝えている。また、「社会に対するお役立ち(マンダム)」、「いい仕事(三井物産)」、「相互信頼(ワコール)」などは、あえて、CSRという言葉を使わずに社内で響きやすい言葉とともにその中身から社員に考えてもらうようにしているのが功を奏している。

図:「ステークホルダー」とは
薗田綾子
写真:薗田綾子 兵庫県西宮市生まれ。
甲南大学文学部社会学科卒業。1988年、女性を中心にしたマーケティング会社クレアンを設立。1995年、日本初のインターネットウィークリーマガジン「ベンチャーマガジン」を立ち上げ、編集長となる。そのころから、環境ビジネスをスタート。1996年 「地球は今」10巻シリーズを創刊。
現在は伊藤忠商事、住友林業、富士ゼロックスなど延べ約240社のCSRコンサルティングやCSR報告書の企画制作を提供。
NPO法人サステナビリティ日本フォーラム事務局長、NPO法人社会的責任投資フォーラム理事、有限責任中間法人環境ビジネスウィメン理事などを務める。

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末吉竹二郎
国連環境計画 金融イニシアチブ特別顧問

 わが国には「不言実行」を美徳とする伝統がありますが、ことCSRに関しては「有言実行」こそが大切であると、私は思います。はやりの言葉で言えば「見える化」、すなわち自分たちのCSR活動、環境対策などを分かりやすい形で公表する。それを私たち消費者がチェックし、評価し、サポートするという仕組みができれば、それは競合他社の行動を促し、業界全体の変化につながっていくからです。...

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