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知っておきたいCSRの今〜社会的な信頼度をあげるために〜 第2回 CSR経営を進めるメリット

 クレアンでは、CSR活動のコンサルティングやCSRレポートなどの企画制作をメイン事業にしていることから、毎年だいたい20社近くの経営者にお会いする機会がある。これから本格的にCSR活動を進めようという企業で、時々聞かれる質問に、「CSR経営を進めるメリットは?」がある。もちろん、メリットはたくさんあるのが、私が真っ先にお伝えするのは「社員のモチベーションのアップにつながること」である。

 CSRとは、つきつめれば「自分たちの会社が社会にどんな価値を提供しているのか」という仕事の見直しであり、それは究極的には「それぞれの企業自体の存在意義は何なのか」が社会から問われることでもある。

 社会のニーズや期待に応えられなければ競争には勝てないし、社会にとってプラスではない事業を行っている企業ならば、いずれは淘汰されてしまうだろう。創業の原点をみつめ直し将来どうありたいのかを考えて明文化することは、経営者にとってはビジョンが明確になり、社員にとっては士気やロイヤリティを高めることにつながる。

 さらに、ステークホルダーとの個々の信頼関係が強まることもメリットのひとつ。例えば、社会からの期待や苦言に真摯に耳を傾けて、その声を取り入れながら事業活動を改善する姿勢は社会における信頼度を向上させる。企業にとって社外からの声は、ビジネス上のリスクやチャンスを考える貴重な材料にもなるし、それを経営の重要な意志決定に組み込むことで企業の持続可能性を図ることができる。また、CSR活動を継続することで結果的には、非財務指標である社会的、環境的、または人財価値を含めたブランド価値が高まることにつながってくる。

 環境面では、生産性や資源効率性を向上させ、またエネルギーや水などの資源の節約や廃棄物削減などのメリットが生じる。何よりも環境をビジネスチャンスと捉えて、本業でいかにビジネスモデルを転換し、持続可能な社会を構築するかの中長期的な事業戦略を立てる素養となる。

 さらに、生活者やNGOなどとの誤解によっておきるレピュテーションリスク(会社やサービスの悪い評判が広まり、社会の信頼を失うリスクのこと)も減るだろう。また、最後に付け加えたいのが、変化が大きく先が読めないこの時代において、「未来から発想し、物事の本質に気づく」ことができる人財が育成できるのも大きなメリットと考えられるだろう。

薗田綾子
写真:薗田綾子 兵庫県西宮市生まれ。
甲南大学文学部社会学科卒業。1988年、女性を中心にしたマーケティング会社クレアンを設立。1995年、日本初のインターネットウィークリーマガジン「ベンチャーマガジン」を立ち上げ、編集長となる。そのころから、環境ビジネスをスタート。1996年 「地球は今」10巻シリーズを創刊。
現在は伊藤忠商事、住友林業、富士ゼロックスなど延べ約240社のCSRコンサルティングやCSR報告書の企画制作を提供。
NPO法人サステナビリティ日本フォーラム事務局長、NPO法人社会的責任投資フォーラム理事、有限責任中間法人環境ビジネスウィメン理事などを務める。

CSR活動の現場から

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〜 Cash&SalesとCare&Solidarity 両立の時代へ 〜

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日本アイ・ビー・エム株式会社

末吉竹二郎のCSR入門

第5回 CSRで危機をチャンスに

写真:末吉竹二郎

末吉竹二郎
国連環境計画 金融イニシアチブ特別顧問

 わが国には「不言実行」を美徳とする伝統がありますが、ことCSRに関しては「有言実行」こそが大切であると、私は思います。はやりの言葉で言えば「見える化」、すなわち自分たちのCSR活動、環境対策などを分かりやすい形で公表する。それを私たち消費者がチェックし、評価し、サポートするという仕組みができれば、それは競合他社の行動を促し、業界全体の変化につながっていくからです。...

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