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Strategic Philanthropy Forum 2009
〜 Cash&SalesとCare&Solidarity 両立の時代へ 〜

 CSR活動にとって欠くことのできないパートナーであるNGOやNPO。60年以上にわたって途上国や紛争地域における貧困や差別の問題の解決に向けた活動を行っている世界有数の国際協力NGO、CARE。その日本事務局である(財)ケア・インターナショナル ジャパンの主催で、企業とNGOとの連携をテーマにしたフォーラムが開催された。様々な問題意識が共有され、活発な意見交換が行われたその模様を紹介する。第3回(全3回)

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オープンフロアディスカッション

世界とつながることに価値を見出す消費者は多い

ピーダーセン氏 続いて、会場からの質問にお答えしていくオープンフロアディスカッションに入りたいと思います。

会場 日本企業もグローバルに展開する時代になりましたが、既にグローバル展開している企業と比べた違いについてどのように考えたらよいでしょうか。

レヴェック氏 グローバル化への対応はNGO、企業の双方にとって大変なことですが、いずれやらなくてはいけないこと。適応するという強い意志を持って取り組むべきでしょう。

ピーダーセン氏 確かに日本においては、国内の活動だけを支援する企業が多いですが、私はそれは間違いであると断言します。世界とつながることに価値を見出す消費者はたくさんいます。企業はそれをどう実現させて、消費者に示していくべきかを考えるべきでしょう。

橋本氏 企業がNGOとの連携を考える際、グローバルな活動を行っているという接点だけでは弱い気がします。協働する際には、むしろお互いのフィロソフィーやミッションが一致することが重要ではないでしょうか。会社の信念にグローバルというものはありませんし、これからの時代、グローバルであることは当たり前のことなのですから。

企業や担当者の観点から見たアプローチを

会場 企業のCSR担当の中には社会貢献へのマインドがない人がいますが、そういう企業にはどのようなアプローチが有効でしょうか。また、CSRがブームになってしまうと、一過性のもので終わってしまうのではと心配です。

ピーダーセン氏 まず、企業や担当者の置かれた立場に立って、その観点からCSRの正当性や価値を考えていくことから始めるべきではないでしょうか。日本企業の組織はリスクを取りにくい構造になっているのですから、それを踏まえたアプローチが必要だと思います。

鵜尾氏 私の印象では、企業のCSR担当者の多くは社内の理解を得るために大きな努力を払われている方が多いと思っています。またCSRがブームで終わるかもしれないというお話ですが、実体験としてメリットが得られれば、つまり従業員が幸せや達成感を感じることができれば決してブームでは終わらないでしょう。確かに、寄付の文化が根付いた欧米と日本では社会の成り立ちは違いますが、日本にも助け合いといった文化があります。現在の過渡期を乗り越えることによって、CSRが根づく可能性は十分あると思います。

野口氏 私は様々な専門性を持った複数の部署の方が親身になって惜しみなく協力してくださったワイデン&ケネディとの協働を通じて、こうした活動は一過性で終わるものではないという確信を抱きました。

活動から得られる満足感や成果を共有したい

会場  ケア・インターナショナル ジャパンとワイデン&ケネディとはどのような契約をされていますか。また、社員の方への評価はどうなっていますか。

橋本氏 特に契約は取り交わしていません。善い会社と仕事をしたい、そのためには自分たちも善い会社でありたいというのが当社の信念ですので。その意味でも、可能な限り協力し続けていきたいと思っています。社員への評価に関しては、プロボノの仕事も通常の仕事と同じように評価してくれています。会社がきちんと正当に評価してくれる安心感はやはり大きいです。

野口氏 私たちとしても、「careギフト」のプロジェクトのように、一緒に何かを作り上げていくことを通し、活動から得られる満足感や成果を共有していきたいと願っています。寄付を集めるシステムを作っていただいたので、今後これをどう浸透させていくかについて継続的なご協力をお願いしたいと考えています。

会場 プロボノだからこその課題があると思いますが、どう克服されているのでしょうか。

橋本氏 自社社員の時間確保の問題や、当社から他の会社あるいは個人に協力いただいた際に、この活動に関わる意味を十分に共有してもらうことの難しさは、大きな課題です。すぐに答えはでませんが、これから探っていこうと思っています。

野口氏 CAREとしても、プロボノの場合、高い専門性を無料でご提供いただくので、どこまでお願いしたらいいのかという線引きが難しいです。CRMにおいては、企業は社会貢献をアピールして販促をしたい、NGOは認知度を高めたいが利用されたくない、という企業とNGOの立場の違いの調整が課題になるケースがあります。

ピーダーセン氏 日本において、企業の社会貢献活動は始まったばかりだと思います。しかし、だからこそ本気で取り組んで行けば、大きなチャンスが広がっているとも言えるでしょう。今後、日本における企業とNGOとの協力関係が大きく発展することを願い、本フォーラムを締めくくりたいと思います。本日はありがとうございました。

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