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株券電子化特集

ここが聞きたい     なぜ株券電子化なのか

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外崎亮(とのさき・あきら)さん
金融庁総務企画局市場課企画官
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上場会社の株券の電子化までの経緯は。
外崎
金融庁に設置された金融審議会第一部会の証券決済システムの改革に関するワーキンググループ報告「21世紀に向けた証券決済システム改革について」が契機となっている。2000年6月に公表されたものだ。従来は、株券のほか、社債や企業のコマーシャルペーパーなどを決済する制度が種類ごとに異なっていた。金融の自由化、グローバル化の流れのなかで、これでは非効率なため、もっと統一的、合理的な決済制度づくりをしようという問題意識が背景にあった。
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株券だけの改革ではないと。
外崎
その通りだ。株券を含め、すべての証券について、統一的な証券決済法制をつくろうと、一連の改革をすでに進めてきている。関連法制の整備とシステム開発などを経て、まず、2003年1月に国債が電子化、ペーパーレス化された。その後は、例えば一般債は2006年1月から、個人投資家にも身近な投資信託も2007年1月から電子化されており、株式の電子化で一連の改革が完結することになる。
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株券電子化の意義は。
外崎
証券決済システムというのは、証券市場を運営していく上で、なくてはならない基本的なインフラだ。その意味で、日本の証券市場を魅力的なものにして、国内の参加者はもとより、海外から幅広い参加者を得るには、証券決済制度を効率性に富み、使い勝手がよく、信頼性、安全性の高いものしていくことは非常に重要だ。株券の電子化はまさにこうした要請に応えるといえる。金融市場をめぐっては、世界各国が国際競争力の強化のためにしのぎを削っている。欧米のニューヨーク、ロンドンはもちろん、アジアでも香港やシンガポール、さらには上海や天津も存在感を増している。日本としても、証券取引のグローバル化の進展のなかで、国際的な競争に勝ち抜くため、一連の決済制度改革、その仕上げとしての株券の電子化を円滑に実現させることで、日本市場の国際的な評価をさらに高め、海外の投資家に日本市場をこれまで以上に選択してもらえるようになるだろう。
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株主にとってのメリットは。
外崎
手元で紙を保管、管理することがなくなるので、紛失、盗難にあうことがなくなる。また、偽造株券を買ってしまうというリスクもなくなる。売買で株券の受け渡しや、株主が名義書き換えをする必要もなくなる。最近は、合併や社名の変更なども多いが、こうした時も株券の交換をしなくてすむ。
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株券を発行する会社などにとってのメリットは。
外崎
発行会社については特に大きなメリットがある。まず、まさに株券そのものを発行するコストが発生しない。株券は偽造されないことが重要なので、偽造側の技術の進歩に応じ、発行側は印刷に工夫を凝らし、印刷コストもかさんでいたが、電子化すればこれがなくなる。企業再編が活発になるなか、新しく合併するとか、株式交換をするというような場合、今は株券をいちいち回収して新しい株券を交付することが必要だが、その必要もなくなる。また、証券会社にとっても、保険をかけて株券を保管したり、運搬したりといったコストがなくなる。

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