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 多くの人が新興国に持つイメージで真っ先に思い浮かぶ言葉は、「急成長」という言葉だろう。国際通貨基金(IMF)によれば、2014年の世界経済の成長予測は3・6%。内訳は先進国2・0%、新興国が5・1%。新興国の成長率は鈍化しているが、世界の成長を牽引(けんいん)している事実は変わらない。今年、過去最高値を更新する新興国株が続出したことは、こうした点を裏付ける。

 なぜ新興国で経済成長が続くのか。俗的な言い方になるが、これは人間の便利さ、快適さを求める「欲」が発端となっていると言う他ない。日本の高度成長期にテレビ・洗濯機・冷蔵庫という「三種の神器」が一気に普及したが、似た現象がいまの新興国に起きている。新興国に行けば良く分かるが、彼らのスマートフォンなどに対する興味の強さは驚くほどだ。この「欲」が続く限り、新興国の成長は続く可能性が高い。

 ただ、多くの新興国が資源の輸出頼みの点は不安材料だ。また、反政府デモや民族・地域対立など政情不安に関する報道も多い。これは、成長に対する意外な重しになる。「アラブの春」以降、反政府デモの規模はどの国でも大きくなっており、経済成長の阻害要因になりかねない点は注意が必要だ。

 さて、「アジアの眼」として始まり、2年間続いたこの連載も最終回。冒頭で述べたように世界経済はすでに新興国抜きでは語れない。88回にわたった連載で、その存在感が少しでも伝わっていれば幸いだ。

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 モーニングスター社の新興国情報サイト(http://www.morningstar.co.jp/news/emeye/)も参照してください。朝日新聞デジタルでの「新興国マーケット」の配信は今回で終わります。