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 タイの反政府デモの激化が株価にも影響を与えている。デモのきっかけは、11月1日にインラック政権が強行採決した恩赦法案。これは国外逃亡中で、国民から批判が強いタクシン元首相の帰国問題というパンドラの箱を開けた。

 当初は、タクシン派と反タクシン派の衝突に関わった市民の罪を不問にするという法案だったが、元首相らも含む内容に修正したことが反タクシン派の怒りを買った。同派はバンコクなどで激しい抗議を展開。この混乱ぶりを見てタイ株式市場から資金を引き揚げる動きが活発化し、11月25日には2カ月半ぶりの安値を付けた。為替相場でもドル買い・バーツ売りが続く。

 タイ経済は2013年1~3月期以降、3四半期連続で成長率が鈍化。4~6月期、7~9月期は前年比3%を下回る低成長だったが、この混乱を受け10~12月期も伸び悩む可能性は高い。タイ中銀(BOT)も、11月下旬、半年ぶりに政策金利を0・25%引き下げて2・25%にした。景気減速の予防的措置があったことは間違いない。

 ただ、騒乱が一段と深まるかは微妙だろう。それはタイにプミポン国王の裁定という伝家の宝刀があるからだ。5日の誕生日はデモに言及しなかったが、06年の軍部クーデター発生時も国王による暫定政権承認と民主化再移行プロセスが認められ事態が沈静化した。

 株価の下げ幅は、事態の深刻さに比べれば浅い。背景にはこうした事情があるのかもしれない。

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 モーニングスター社の新興国情報サイト(http://www.morningstar.co.jp/news/emeye/)も参照してください。