●サブプライム問題のきっかけになったのが金融派生商品と言われていますが、こういうものは世に必要でしょうか?(45歳男性)
◇金融派生商品は悪か 藤巻健史
一橋大の非常勤講師になって10年たつが、今年はわが講座の人気が例年に比べ格段に高い。大教室で立ち見も出る盛況ぶりだ。これは講義内容にある金融派生商品について、サブプライムローン問題で学生の知識欲が増したのだろう、とオオニシ先輩に話したら「なに言ってるの、学生は藤巻が大損した話を聞きたいだけよ」。アチャー。
ところで今回の金融危機もそうだが、金融が経済全体を動かす例が増えてきた。そのせいか米国ではルービンやポールソンといった金融実務のプロが財務長官として指導力を発揮してきた。私は彼らだからこそ危機をこの程度で抑え込めたと思っている。一方日本の指導者層には金融実務のプロがいないので、いざという時いかにも頼りない。
金融派生商品はいまやパソコンや携帯電話のように資本主義経済に不可欠なもので、いくら今回のような事態があっても、もうなくせない。交通事故が多発しても自動車をなくせないのと同様で、事故をなくす努力をするしかない。となればそれを十分理解した学生が将来、指導者層になれば日本の未来は心強い、と金融の力を信じる私はめげずに思うのだ。
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●健史さんには妻アヤコさんがいますが、幸夫さんはどうなんでしょうか。私生活も知りたいです。(40代女性)
◇独身に間違われるが 藤巻幸夫
確かにフジマキはよく独身に間違われるんですよね。家庭のことはほとんど書いたことがないから。でも、独身のふりをして悪巧みをするような男ではない、と改めてここに強調しつつ、ミーハーで元気なオフクロ、右側に出ている兄貴、マンガが特技でフジマキ以上に口が達者な姉貴がいること以外はあえて語りたくない、と言っておこう。
それはなぜか。中学のころ、亡きオヤジに教えられてその生き方を範とするに至ったのは植木等さんだった。渥美清さん演じるところのフーテンの寅(とら)もわが心の師だ。そんな男が家庭のことを人様に語るのは気恥ずかしいという思いがあるのです。
人との出会いを求めて旅から旅へ――家は大事にしなくちゃいけないけど、気概としてはそうありたい、なんて言いつつ、ミステリアスな部分を残しておこうという計算もあったりして……というのは冗談です。
ところで先日、やはり長年あこがれていたビートたけしさんのテレビ番組に出演した。フジマキを見て「ドラえもん」だって。最高! たけしさん、今度映画を作るときは、ぼくを坊さんのチョイ役でぜひ出してください。

50年生まれ。邦銀から米モルガン銀行に転じ、東京支店長を務める。株式、外為、債券市場で抜群の運用成績を挙げて「カリスマディーラー」と呼ばれた。00年に独立して、投資顧問会社のフジマキ・ジャパン社長。早稲田大大学院、一橋大で非常勤講師を務める。

60年生まれ。伊勢丹(東京・新宿)で若手デザイナーを発掘する売り場「解放区」を手がけ、「カリスマバイヤー」の異名を取る。キタムラ専務、福助社長、イトーヨーカ堂取締役などを経て、08年2月からフジマキ・ジャパン副社長。シャツとバッグの「CRUM」店主。