原油価格は1990年代の安値からほぼ10倍の値段。とうもろこしやさとうきびも、代替エネルギーとして需要が拡大しているバイオエタノールの原料に優先供給されるために、食糧用・飼料用の穀物価格も上昇の一途をたどっている。このような原材料価格高騰を背景に、最近では生活に直結する物価の上昇が目立ってきた。賃金上昇が伴わない中での物価上昇により、景気後退と物価上昇(インフレ)が同時進行する「スタグフレーション」への突入も懸念されている。そのような中、物価上昇から資産を守るための投資手段を考えてみたい。
インフレ抵抗力のある資産に「コモディティ(商品)」が挙げられる。インフレ時には預貯金などの金融資産は、実質的な貨幣価値が低下する恐れがあるが、現物資産である商品は、預貯金などとは逆にその価値が上昇し、金融資産の目減りに対抗できる資産の一つと考えられる。その「コモディティ(商品)」に投資を行う投資信託がコモディティ・ファンドである。ただし、コモディティ・ファンドの多くは商品に直接投資をしているわけではなく、商品指数に連動する仕組債に投資をしている。そのため、それぞれのファンドがターゲットとしている指数に組み入れられている商品の価格が上昇すればファンドの価格も上がり、組み入れられている商品の価格が下落すればファンドの価格も下がる。よって、ファンド選択の際に確認したいのは、ファンドが連動を目指す商品指数の構成比率だ。原油や天然ガスなどのエネルギー、金や銀などの貴金属、小麦や大豆などの農産物、銅やアルミニウムなどの非鉄金属など、それぞれの構成比率により指数の値動きに違いが出るため、自身の投資目的に合った指数に連動を目指すファンドを選別したい。
また、コモディティ・ファンドの価格は現物商品の需給関係を反映する上、商品市場の規模自体が株式市場や債券市場に比べて小さく、市場の流動性が低いために短期間の価格変動が激しい。直近1年間のリスク・リターン特性をあらわす図表(1)では、コモディティ・ファンドのリスク(標準偏差)は高い傾向があることが見える。ファンドの場合は、一つの商品にフォーカスする訳ではなく、色々な商品の値動きを総合した指数をベンチマークとしているため、単一商品に投資する場合よりも価格変動は穏やかになるといえるが、基準価額の振れの大きさにより、短期間で見た場合にインフレヘッジとならない場合があることには注意が必要だ。
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図表(1) 直近1年間のリスク・リターン特性
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※基準日:2008年3月末、モーニングスター調べ
モーニングスターカテゴリーに基づく分類により、各分類に属するファンドのリターン、リスク(直近1年間)を加重平均して算出
さて、実際にはどのような「コモディティ・ファンド」があるのだろうか。図表(2)はモーニングスターが評価対象としている追加型株式投資信託の中で、実質投資対象を主にコモディティとするファンドをピックアップした。その中の過半数のファンドがここ半年以内に新規設定されていることから、投資家の関心の高まりがうかがえる。1位の「日興・シュローダー・コモディティAコース」は2008年3月7日に新設され、約1ヶ月間弱で377億円の資金を集めた。主要投資対象は、実質的に世界のエネルギー、金属、農産物等のコモディティで、トップダウン・アプローチによる資産配分と、ボトムアップ・アプローチによる個別コモディティ分析の2つの観点から運用を行っている。10位の「日興・シュローダー・コモディティBコース」は1位のファンドの「為替ヘッジあり」タイプだ。2位の「グローバル・アンブレラUBS フード(豪ドル)」はUBSブルームバーグCMCI指数食品関連セクター(豪ドルヘッジ、円換算ベース)をベンチマークとしており、食品やその原材料となる穀物等のセクターにターゲットを絞っている。今後、食糧用・飼料用の穀物価格と共にファンドの運用成果を注視したい。
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図表(2)「コモディティ・ファンド」純資産ランキング
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順位 |
ファンド名 |
会社名 |
純資産額
(百万円) |
トータルリターン |
標準偏差
1年
(%) |
信託報酬率
合計_税込
(%) |
信託期間
開始日 |
1ヵ月
(%) |
6ヵ月
(%) |
1年
(%) |
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1 |
日興・シュローダー・コモディティAコース |
シュローダー |
37,726 |
- |
- |
- |
- |
1.99 |
2008/3/7 |
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2 |
グローバル・アンブレラUBS フード(豪ドル) |
UBS |
17,256 |
- |
- |
- |
- |
1.16 |
2008/3/25 |
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3 |
野村 コモディティ投信(DJ-AIG商品指数) |
野村 |
12,839 |
-9.14 |
1.82 |
6.21 |
22.15 |
1.31 |
2005/9/21 |
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4 |
AIG コモディティファンド |
AIG |
10,469 |
-8.89 |
0.40 |
4.11 |
20.87 |
1.26 |
2006/2/23 |
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5 |
ダイワ・コモディティインデックス・ファンド |
大和 |
9,400 |
-5.00 |
7.85 |
20.95 |
20.85 |
1.95 |
2004/12/10 |
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6 |
グローバル・アンブレラUBS コモディティ |
UBS |
8,009 |
-9.43 |
- |
- |
- |
0.95 |
2007/12/19 |
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7 |
コモディティ・セレクション(食糧) |
岡三 |
4,366 |
-17.13 |
- |
- |
- |
1.33 |
2007/12/27 |
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8 |
グローバル・コモディティ・オープン(毎月) |
野村 |
3,470 |
-3.69 |
7.84 |
19.48 |
23.41 |
1.31 |
2006/10/30 |
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9 |
野村 コモディティ投信2(S&PGSCI商品) |
野村 |
3,465 |
-3.71 |
- |
- |
- |
1.31 |
2007/10/9 |
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10 |
日興・シュローダー・コモディティBコース |
シュローダー |
2,879 |
- |
- |
- |
- |
1.99 |
2008/3/7 |
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※基準日:2008年3月末、モーニングスター調べ