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インフレ対応ファンドの検討 株式ファンド核に分散投資 商品や不動産型も組み入れ

2006年11月25日

 景気回復を背景に消費者物価は上昇傾向を示し始めており、インフレ懸念という言葉も聞かれるようになってきた。インフレは資産運用の大敵である。インフレから資産を守るためにはどのようなタイプの投資信託に投資したらよいか、検討してみよう。

1 株式投資ファンド

 インフレから資産を守るインフレヘッジとして、第一にあげるのは株式投資であろう。実際、過去を振り返ってみると株式投資は長期(20年間程度)では物価上昇を大きく上回る成果をあげている。しかし、1年から10年という短期では必ずしもインフレヘッジにならないケースもあり、使用期間に留意する必要がありそうだ。ただ、長期でみれば大変有効なインフレヘッジ手段であるためインフレ対応投資信託としては、まず、株式ファンドをあげることができそうだ。

2 商品投資ファンド

 石油や金属、農産物など、商品への投資は昔から効果的なインフレヘッジ手段といわれる。しかし、一般投資家が直接、商品に投資することは投資知識や投資資金の面から難しい。そこで、商品投資を専門家が行う投資信託が浮かび上がる。ただ、商品投資(コモディティ)ファンドは石油とか銅や小麦などの商品に直接投資するのではなく、それらの価格変動に連動するデリバティブに投資しているのである。しかも多くの場合、色々な商品の値動きを総合した「商品指数」に連動するデリバティブに投資して商品市場全体の動きをとらえようという方針をとっている。従って投資にあたっては、そのファンドがどのような商品指数に連動を目指しているかを見る必要がある。よく利用されているのは、DJ―AIG商品指数とゴールドマン・サックス商品指数であるが、DJ―AIGでは石油を中心とする「エネルギー」の構成比が33%であるのに対し、ゴールドマンではこのウエートが75%も占めている。その結果、商品指数の動きが大きく異なることがある。また、商品価格の動きは非常に変動が激しいので、ファンドの基準価額の振れが大きく、短期では必ずしもインフレヘッジになるとは限らないことにも留意する必要がある。

3 REITファンド

 日本では昔から不動産投資はインフレヘッジの代表的手段と考えられてきたが、投資信託としては不動産投資信託(REIT)ファンドの活用があげられる。REITはオフィスビルやマンションに投資して、その家賃収入を収益源としている。インフレ期には家賃収入も値上がりするからREITは好影響を受けると考えられる。しかし、不動産の維持・管理費用の上昇や金利コスト(REITは借入金による投資も行う)がかさむというマイナス面も出てくる。このためインフレヘッジ手段としてのREITの効果は限定的と思われる。

4 物価連動債ファンド

 債券は一般にインフレに弱いといわれる。それはインフレになると金利が上昇し、債券の価格を下落させるからだ。しかし、債券の中には例外的にインフレ抵抗力のある債券もある。物価連動債といわれる債券である。日本では、2004年3月から「物価連動国債」が発行され始めた。この債券を組み入れた投資信託が、物価連動国債ファンドである。同ファンドは、債券ファンドでありながらインフレヘッジ機能を持つファンドだが、留意すべき点は、物価が下がったときの元本保証がないことと、10年満期の長期債なので、短期では基準価額がかなり大きく変動することがあることだ。従って物価連動国債ファンドへの投資も長期的な視点で行うことが望ましい。

   ◇

 インフレヘッジという観点から投資信託ポートフォリオを構築するには、株式投資ファンドをポートフォリオのコア(中核)とし、コモディティファンド、REITファンドを一部組み入れて分散投資効果を図るという方法が考えられる。安定性を重視した債券投資でインフレヘッジを求める投資家には、物価連動債ファンドが適しているといえよう。

モーニングスター社http://www.morningstar.co.jp

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