過去3年間の東京株式市場は、前半は世界的な景気拡大を背景に、上昇傾向が持続した。ただ、後半はサブプライムローン問題などの影響から08年3月にかけては下値を切り下げる展開となり、TOPIXの上昇率は20・24%にとどまった。
このような状況の中、モーニングスターが評価対象としている追加型の株式投資信託2542本のうち、純資産額が10億円以上のファンドを対象として、4月末までの過去3年間におけるトータルリターンのランキングをみた。経済成長が著しい新興国の株式に投資するファンドのパフォーマンスが優位で、上位は中国に投資するファンドがほぼ独占した。
《資源価格上昇の恩恵も受ける》
1位の「JF チャイナ・アクティブ・オープン」と2位の「フィデリティ・チャイナ・フォーカス」は香港上場のH株(出資・登記とも中国の企業)とレッドチップ(出資は中国で登記は香港の企業)の組み入れ比率が高い。業種別では、前者はエネルギー、銀行に、後者はエネルギー、電気通信サービスに比重を置いている。15位の「HSBC インドオープン」はインド市場の株式を中心に米国預託証券にも投資する。業種別ではサービス、エネルギーに比重を置いている。
上位のファンドは、インフラ投資などの内需関連株に加え、資源関連株の組み入れ比率が高い点で共通し、資源価格の持続的な上昇の恩恵を受けやすい投資配分になっている。
中長期的にも、中国やインドなどの新興国の高い経済成長は続き、資源に対する需要にも大きな変化はないとの見方が多い。過去半年間の新興国の株式市場は大幅調整となっているが、中長期的な投資魅力は依然として大きい。
《ファンドの運用方針に変化の兆し》
一方で、足元の原油価格を中心とした資源価格の持続的な上昇が、新興国の企業業績にも悪影響を及ぼし始めており、ファンドの運用方針にも変化が出始めている。
例えば、「JF チャイナ・アクティブ・オープン」は、資本財関連企業がコスト上昇に直面するとの予想から、今後は消費関連銘柄に注目している。3位の「SG 中国株ファンド」では、インフレとエネルギー価格の上昇をリスク要因ととらえて、比較的影響の少ない通信、金融セクターに注目している。
資源価格の上昇は産出国にとってはメリットの方が大きい。一方で、資源価格の上昇から、新興国でもインフレ懸念が台頭している。株式市場の調整期間が長引く可能性もあり、他の資産との分散投資を心がけたい。
(モーニングスター社)http://www.morningstar.co.jp
| 順位 | ファンド名 | 投信会社 | トータルリターン(%) | 総合レーティング | 純資産(百万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | JF チャイナ・アクティブ・オープン | JPモルガン | 52.36 | ★★★★★ | 11,977 |
| 2 | フィデリティ・チャイナ・フォーカス | フィデリティ | 46.38 | ★★★★★ | 8,690 |
| 3 | SG 中国株ファンド | ソシエテ | 43.17 | ★★★★ | 11,408 |
| 4 | 日興AM 中国A株ファンド | 日興 | 43.11 | ★★★★ | 21,176 |
| 5 | DIAM 中国関連株オープン | DIAM | 43.09 | ★★★★ | 24,871 |
| 6 | チャイナ・フロンティアオープン | 三井住友 | 42.85 | ★★★★★ | 3,399 |
| 7 | チャイナ騰飛(チャイナ・エクイティ) | 大和住銀 | 41.27 | ★★★★★ | 56,824 |
| 8 | 住信 チャイナ・リサーチ・オープン | 住信 | 39.96 | ★★★★ | 8,056 |
| 9 | 三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド | 三井住友 | 38.82 | ★★★★ | 101,715 |
| 10 | CA グラン・チャイナ・ファンド | C・アグリコル | 38.75 | ★★★★ | 38,896 |
| 11 | チャイナ・ロード | 岡三 | 38.32 | ★★★★★ | 37,080 |
| 12 | 三井住友・メインランド・チャイナ・オープン | 三井住友 | 38.16 | ★★★★ | 2,250 |
| 13 | JF チャイナ・ファンド | JPモルガン | 37.68 | ★★★★ | 26,188 |
| 14 | HSBC チャイナオープン | HSBC | 37.68 | ★★★ | 49,124 |
| 15 | HSBC インドオープン | HSBC | 36.97 | ★★★ | 143,504 |