米国株が波乱の展開となっている。昨年10月に1万4164ドルの高値を付けたダウ工業株30種平均は、7月15日には一時1万1000ドルの大台を割り込み、高値からの下落率は2割を超えた。サブプライムローン問題や、世界的なインフレ懸念を背景に、今後も米国経済の低迷が続くとの見方が多い。
しかし、米国株における物価調整後の年間リターンを長期間計測した統計では、NYダウが年間20%超下落する年の出現率は100年で8%という。つまり、今回のような下落局面は少なくとも過去の経験則からすれば、長期的には米国株の買い場になる可能性があることを示している。
《インデックスを上回る投資成果》
表は、追加型株式投資信託2579本のうち、モーニングスターが独自に分類した「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」における5年のトータルリターンランキングである(純資産額が10億円以下のファンドも含む)。運用年数が5年以下のファンドを除くと全19ファンドとなる。
6月末を基準とした場合、MSCI北米インデックス(円ベース)のリターンは、過去1年で▲24.43%、3年で2.58%、5年で4.45%となった。一方、同期間における全19ファンド平均は▲22.53%、3.47%、4.66%となっており、いずれもインデックスを上回っている。上位にランクインしたファンドのみならず、全19ファンド平均でもインデックスを上回る投資成果を上げていることに注目したい。
《米国経済の潜在能力に注目》
個別ファンドでは、長期間で安定した運用実績を残しているファンドに注目したい。過去1年、3年、5年のいずれにおいても、類似ファンド平均を上回っているようなファンドにスポットを当ててみた。
1位にランクインした「BR 米国小型成長株式オープンA(ヘッジなし)」は、NASDAQ市場を中心とする小型・成長株を主要投資対象とする。中長期的に高成長が見込まれる銘柄に厳選投資しており、6月末まで過去5年間のパフォーマンスはベンチマークである「Russell 2000 Growth Index」の円換算ベースを23.26%上回っている。
3位の「USインターネット・オープンBコース」と4位の「netWIN GS・インターネット戦略ファンドB」は、ともに為替ヘッジをせずにインターネット企業を中心に投資している。08年6月末時点での組入れ上位銘柄は、前者はグーグル、シスコ・システムズなど、後者はエレクトロニック・アーツ、マイクロソフトなどとなっている。
過去1年間、米国経済はサブプライムローン問題一色に染められた感があり、金融機関による多額の損失計上など金融面では注目を集めてきた。ただその一方で、米国には世界有数の金融機関のみならず、優れた技術や強い競争力を有する企業が多数存在することも忘れないほうが良いかもしれない。
(モーニングスター社)http://www.morningstar.co.jp
| 順位 | ファンド名 | 投信会社 | トータルリターン(%) | ||
| 1年 | 3年 | 5年(年率) | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | BR 米国小型成長株式オープンA(ヘッジなし) | ブラックロック | -18.91 | 9.12 | 9.01 |
| 2 | (ベスト・パーティー) 北米エクイティF | 大和 | -21.11 | 5.31 | 7.76 |
| 3 | USインターネット・オープンBコース | 大和 | -21.46 | 4.56 | 7.15 |
| 4 | netWIN GS・インターネット戦略ファンドB | ゴールドマン | -13.98 | 6.46 | 7.12 |
| 5 | フィデリティ・米国優良株・ファンド | フィデリティ | -19.44 | 7.63 | 7.01 |
| 6 | グローバル・バイオテクノロジー・ファンドB | 大和住銀 | -5.18 | 10.88 | 6.99 |
| 7 | 米国新興企業株式ファンドBコース | 三菱UFJ | -27.99 | 2.40 | 5.28 |
| 8 | 三菱UFJ 米国株オープンBコース | 三菱UFJ | -27.78 | 2.02 | 4.85 |
| 9 | 米国NASDAQオープンBコース | 野村 | -14.18 | 7.51 | 4.75 |
| 10 | ゴールドマン・サックス・アメリカンBコース | ゴールドマン | -29.26 | 0.41 | 4.34 |
| 19ファンド平均 | − | -22.53 | 3.47 | 4.66 | |