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■「いい会社」400選ぶ

 Q 年明けから新しい株価指数ができるって聞いたけど。

 A 日本取引所グループ(JPX)が日本経済新聞社と共同で開発した「JPX日経インデックス400」だね。来年1月6日から算出が始まるよ。

 Q 日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)はよく耳にするけど、株価指数ってあれのこと?

 A そう。日経平均もTOPIXも、東京証券取引所第1部の企業が対象。日経平均は業種のバランスなどを考えて225社を選び出し、独自のやり方で平均株価を求めている。TOPIXは東証1部上場のすべての企業の時価総額の増減を示しているんだ。

 Q じゃあ、新しい指数は?

 A 「投資先として魅力が高い」とされる400社を選んだ。東証2部や新興市場の企業も対象で、例えばジャスダックに上場するゲーム会社、ガンホー・オンライン・エンターテイメントなども入っているよ。JPXによると、直近7年間の実際の株価で運用成績を比べたら、新指数はTOPIXを約6%上回ったそうだよ。

 Q なぜ今、新しい指数をつくったのかな?

 A 日本の株価が低迷していた時期に、「いい会社」ばかり集めた指数なら上昇して、日本株へのイメージが良くなるだろう、という期待から検討が始まったそうだ。例えば、TOPIXは市場全体の値動きを示す指標として定着しているけど、メガバンクや電機大手など時価総額が大きい銘柄に左右されやすい。新指数の登場で、小さいけれど勢いのある企業も注目されるようになれば、日本の株式市場の活性化につながりそうだね。

■投資家の目線でふるい

 Q 「投資先として魅力が高い」400社ってどうやって選んだの?

 A 自己資本利益率(ROE)を重視するなど、企業の収益性に着目した点が最大の特徴だよ。

 Q ROEって?

 A 純利益を自己資本で割った数字のこと。株主が提供した「元手」を使って、企業がどれだけ効率よく利益を上げたかを示す。まず時価総額などで1千社に絞り込んだうえで、過去3年の平均ROEなどを基準にふるいにかけた。400社の平均ROEは11・1%と、TOPIX(東証株価指数)の5・7%を上回ったよ。

 Q 「いい会社」のものさしは収益性だけ?

 A 独立社外取締役を2人以上選任しているか、国際会計基準の導入を決めているか、英文で決算情報を開示しているか、といった点も加味される。規模が大きいとか、業界を代表する企業だとか、それだけではダメなんだ。大事な点は、グローバルな視点で投資家を意識した経営をしているかってことだね。

 Q 漏れたら「ダメな会社」ってこと?

 A 必ずしもそうじゃないんだ。例えば電機大手のパナソニックは、今年9月中間決算は過去最高益だったけど、400社から漏れた。過去2年の巨額の最終赤字が響いたようだ。

 Q 入れ替えはしないのかな?

 A 年1回、最新の決算を反映して8月に見直すよ。今後、投資家が新指数を重視するようになれば、外れた企業の株式には投資資金が集まらず、株価が上がりにくくなるかもしれない。企業が400社入りを目指し、競って投資家を意識した経営をすることが期待されているんだ。

■年金採用が普及のカギ

 Q 新指数は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)みたいに広く使われるようになるかな?

 A まだ分からないよね。これまで、日経平均やTOPIX以外にもさまざまな株価指数が開発されてきたけど、知名度はそれほど高くないのが実情なんだ。ただ、日本取引所グループ(JPX)は、新指数が公的年金の運用に使われるようになれば、普及に向けて「相当、効果が出てくる」(斉藤惇・最高経営責任者)と期待しているよ。

 Q 公的年金と株価指数が関係あるの?

 A 政府の有識者会議が、国民年金と厚生年金の積立金120兆円を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」などの運用改善策を検討してきたんだけど、11月の最終報告書で、より効率的に運用するために、新指数を運用の指標とするよう提言したんだ。

 Q GPIFなどが新指数を使えば、ほかにも広がるの?

 A 企業年金などにも広がりそうだ。運用を請け負う立場からみて、「GPIFにならいました」と言えば、加入者らに方針を説明しやすいからね。

 Q ほかに普及に向けた課題はないの?

 A 新指数に連動した先物や投資信託が広がるかも重要だ。例えば日経平均は、先物が大阪証券取引所のほか、米シカゴやシンガポールの取引所にも上場され、海外でも知名度が高い。新指数でも海外投資家などから先物導入を求める声があり、JPXも前向きだけどまずは新指数の広がりを見極める方針。先物導入まで進めば、投資家の間で本格的に定着するかも知れないね。(この項は佐藤秀男が担当しました)