●「負の遺産」を整理
父親は有線放送界のガリバー、大阪有線放送社(現USEN)を起こしたが、電柱に無断でケーブルを張るなど違法営業が常態化。1985年には当時の郵政省の業務停止命令を無視して営業を続けたことで、大阪府警に逮捕されたことすらある。98年に急死した父の後を継いで急遽登板した宇野が真っ先に取り組んだのが、この父の「負の遺産」の整理だった。
「2〜3年前に宇野くんが『どうもすみませんでした』と謝りにきた。億円単位の迷惑料を払うことで合意しました」
無断で自社放送を録音されて有線放送で流されてきた在京ラジオ局の元幹部は、そう振り返る。宇野は電力会社や放送局などに違約金や賠償金を支払うことを約束して、関係を改善。過去の整理に数百億円もの特別損失を計上してきた。そんな宇野からすると、ライブドアの堀江貴文や、今回の楽天の三木谷浩史のような、挑戦的スタイルはとりにくい。宇野は楽天の社外取締役を務めるが、楽天によるTBSへの提携申し入れに関する取締役会決議の際には、離席して決議には加わらなかった。
「堀江さんによって『ITとメディアの融合』が一般に広く浸透した功績はありますが、そのスピードがあまり性急でもいけないんです。堀江さんは1割でも可能性があればトライするが、ボクは8〜9割の確証がないと動かない。いろんな『立ち位置』があるんです」
今春、アエラのインタビューにもそう答えていた。
|