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金融サミット、財政支出の数値目標には合意できず=渡辺前財務官

2009年3月27日18時55分

 [東京 27日 ロイター] 渡辺博史・前財務官(日本政策金融公庫代表取締役・国際協力銀行経営責任者)は27日午後、記者団と懇談し、4月2日にロンドンで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)では、各国が機動的に行動する方向が確認されるだろうとしながらも、世界的な経済危機克服に向け米国が主張するGDP(国内総生産)比2%程度の財政支出については「まとまらないだろう」とし合意が得られる見通しはないとの認識を示した。

 財政支出に対する数値目標を米国が主張したことについて渡辺氏は「もともとは各国がそれぞれの事情に応じて最大限のことを行うという点をコミュニケにしたにもかかわらず、2%という数値目標が出たがために合意するかどうかに焦点が当たってしまう」とし、数値目標を提案した米国の手法には「個人的には不満がある」と批判した。

 この結果、当初は財務相会合で金融問題を扱い、首脳会合で財政刺激に特化するはずだった会議の目論見が外れ「4月2日の会合では金融と財政両方がテーマになるだろう」と見通した。

 米国経済の先行きに関しては「金融問題は夏までにはある程度底を打ち、実体経済はそれより3四半期から4四半期遅れて、来年の今ごろにはそこそこ戻るだろう」とした。その効果を得て「そのころ(来年の今ごろ)日本経済も本格的に戻す」と見通した。

 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁の最近の論文が発端となり、中国政府内で国際通貨基金(IMF)の準備資産であるSDR(特別引き出し権)をドルに代わる基軸通貨にすべきだとの構想が浮上している。中国の主張の背景について渡辺氏は「正直わからない」としながらも、「中国はまだ10年くらい米国にとって最大の貿易相手国であることは間違いない。そのため常に米国の弱さ批判は、必ず中国の強さ批判となって跳ね返ってくるところがある。そこは切り分けたかったのではないか。米国(経済)が悪くなるかどうかという話と、世界全体の金融が悪くなるかどうかと言う話を遮断したほうが中国にとっては良いという判断が発言につながったのではないか」と推測した。

 SDRは外貨不足の国が余裕のある国から外貨を受け取る権利のこと。IMFが金やドルなどを補完する2次的な準備資産として1969年に創設した。

 現在はドル・ユーロ・円・英ポンドの4通貨で構成されているが、中国にはこれに人民元を加えたいとの狙いがあるとの見方に対しては「人民元はまだコンバーティブルではなく市場で自由に交換できない。完全なフロートでもない」とし、中国が人民元をSDRに入れるべきだと強調すればするほどこの2つの問題が表面化するため「中国は多分それに乗れない」とみて「そこまで中国が考えているわけではない」と分析した。

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