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情報BOX:ECBが講じる可能性のある非伝統的措置

2009年4月1日17時55分

 [フランクフルト 30日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、金融政策において非伝統的な措置を排除していないと表明しており、4月にもECBが非伝統的な措置を発表する可能性がある。

 今のところECBは、他の中銀のように資産の直接買い入れは実施していないが、パパデモス副総裁は、民間部門の債券購入が可能と述べている。また、理事会メンバーのウェーバー独連銀総裁などの当局者は、流動性の供給期間の拡大は有益との見方を示している。

 以下、ECBが取り得る非伝統的な策。

 ◎流動性供給の期間を拡大

 ECBは10月に短期金融市場のオペレーションを変更し、固定金利で必要な資金全額を金融機関に供給する方針を発表した。3月5日の理事会では、この金融機関への上限なしの資金供給を、現在の頻度で少なくとも来年までは継続するとした。ただ、貸し出し期間の延長は発表しなかった。

 現在、ECBの流動性供給による最長期間は6カ月だが、アナリストの間では、利下げを補完するためにこの期間を1年もしくはそれ以上に延長すべきとの見方がある。ウニクレディトのエコノミスト、マルコ・アヌンジタ氏は「期間を6カ月以上に拡大することは既に決まっていて、早くて4月2日には発表されるだろう」と述べた。その上で、これにより、銀行セクターの資金調達をめぐるひっ迫感がより長期にわたり緩和されることになるとの見方を示した。

 ◎社債買い入れ

 パパデモスECB副総裁は先週、民間部門の社債や債券買い入れは流動性対策としてECBが取り得る選択肢と述べた。同副総裁は「ひとつの可能性であり、念頭に置いておく必要がある。決定は何も下されていないが、市場の改善につながる可能性がある」と述べた。

 仮にECBが、社債を購入した場合、企業は信用を取得しやすくなるほか、社債への需要が高まり、国債との利回りスプレッドは縮小する。ECBは社債を金融機関、もしくは企業から直接購入できるが、金融機関でない企業から直接社債を買い入れることは難しく、銀行からの方が購入しやすいとアナリストは指摘する。

 RBSのエコノミスト、ジャック・カリュー氏によると、社債購入を各国間で分割し、何を購入するかを各国中銀が自国の債務構造を考慮しながら決定することが可能。

 一方、社債買い入れは、全企業の支援にはならないとの見方がある。ドイツ銀行の金利ストラテジスト、ラルフ・プローサー氏は「社債買い入れは資本市場にアクセス可能な上場企業だけを支援し、中小企業にとっての支援とはならない」と指摘する。

 ◎金融機関の社債買い入れ

 ECBが金融機関の社債を買い入れるかどうかをめぐり、アナリストの見方は分かれている。

 カリュー氏は「金融機関の社債購入は、実体経済への効果を直接狙った策とは考えられていないことから、除外される可能性が高い」と指摘する。

 ◎金融機関のバランスシート上にある資産の買い取り

 金融機関の帳簿上にある資産担保証券(ABS)やローン担保証券(CLO)を購入する可能性があるが、プローサー氏は、そうした資産の価格決定は難しいと指摘。「ECBのバランスシートにとっての大きなリスクとなる。購入資産がデフォルトすることもあり、ECBはそれほどのリスクを取るだろうか」との見方を示した。

 ウニクレディトは、ECBが、トリプルA格付けの債券や、ABSや住宅ローン担保証券(MBS)のシニアトランシェ部分のみを購入するか、もしくは、信用プールのシニアトランシェに保証をつけ、最もリスクの高い部分を銀行のバランスシート上に残す可能性があると指摘している。

 ◎コマーシャルペーパー(CP)購入

 CP市場は金融危機の打撃をかなり受けており、一部のアナリストは、CP購入はECBが検討している策の中でもかなり実施される可能性が高いとみている。

 ただ、CP市場はドイツやフランスなどの一部の国では発達しているが、他国ではほぼ存在しないに近い。そのため、効果が地域により偏ってしまう可能性がある。ただ、短期を購入するか、長期を購入するかの決定を各国中銀に委ねることで、この問題は解決が可能。

 ◎国債購入

 欧州の法律は、ECBが政府から国債を直接購入することを禁じている。ただ、金融機関が購入した国債の買い入れは可能。トリシェ総裁は、ECBに関する既存の法律に拘束されているとは感じていない、としている。

 ただ、どこの国債を購入するかで合意するのは難しい。とりわけ、ユーロ圏内で国債利回りの水準に格差がみられる現在の状況では、合意は容易でない。

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