現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. ビジネス・経済
  4. ロイターニュース
  5. 記事

インタビュー:新需要創出と日銀一体でデフレ克服=財務政務官

2010年1月20日19時5分

 [東京 20日 ロイター] 財務省の大串博志大臣政務官は20日、ロイターとのインタビューに応じ、政府がめざすデフレ克服と確実な景気回復に向けて、新成長戦略の実現による新たな需要の創出や日銀と一体となったマクロ経済政策運営に取り組む考えを強調した。

 景気の二番底懸念がささやかれるなか、追加の景気対策の必要性については、2010年度当初予算案にはもともと景気刺激的な要素が含まれているとし、現段階で補正予算の編成は考えていないと語った。

 景気低迷に伴う税収減やマニフェスト(政権公約)に掲げた新規政策の実現などで財政事情は一段と悪化するが、「財政赤字をたれ流し、各種政策を野放図にやっていくつもりはない」と言明した。 

 <既成改革で新たな需要を創出、デフレ脱却を日銀と共有> 

 大串政務官はデフレ脱却に向け、政府が昨年末に基本方針を示した新成長戦略の実現などで、新たな需要を生み出していくことが重要と指摘。菅直人財務相が表明している成長への「第3の道」を「新たな需要が生まれるための新しい社会の仕組みをつくる成長戦略」と説明し、需要創出に向けて規制緩和や規制改革などにも取り組む姿勢を示した。携帯電話の普及や地球温暖化対策などを例にあげ、「新しい製品が出てくれば、そこに新たな供給が生まれ、新しい需要がつくられる」とし、これに伴って「経済成長力が高まり、需要が生まれ、一つのデフレ対策になる」と語った。

 デフレ克服に向けたマクロ経済政策運営では、日銀との協調が基本と発言。政府と日銀はデフレ解決という目的を共有しているとしたが、日銀の具体的な政策手段に対しては「日銀に考えてもらうこと。適切に対応してほしい」と述べるにとどめた。 

 <10年度予算、景気刺激的な要素含んでいる> 

 足もとの景気回復が緩やかなものにとどまるなか、市場では先行きの二番底懸念もささやかれ、追加景気対策の必要性を指摘する声も出ている。

 これに対して大串政務官は、今通常国会で審議入りした2009年度第2次補正予算案を含めた09年度補正予算のうち2010年度に執行される事業があることに加え、一般会計総額で92兆円超と過去最大となる10年度当初予算案の景気刺激効果も期待されると指摘。10年度予算は、従来の当初予算の考え方から脱却し、「もともと景気刺激的な要素が含まれるようにつくってある」とし、想定される景気動向の範囲内において10年度第1次補正予算の必要性は「考えていない」と言明した。 

 <財政規律維持は最重要課題、シーリングは「重要な課題」> 

 もっとも、追加対策の実施には、先進国で最悪という日本の厳しい財政事情が大きな制約となる。景気への配慮が欠かせない一方で、財政健全化に向けた取り組みも急務だが、大串政務官は財政規律の維持が「最重要課題。菅財務相も財政規律維持に大変、配意している」と強調。「財政赤字をたれ流しながら、いろいろな政策を野放図に実施していくつもりはない」とし、今年前半にも策定する複数年度を視野に入れた「中期財政フレーム」や、中長期的な財政規律のあり方を含む「財政運営戦略」において、財政健全化に向けたわかりやすいメッセージを発信する考えを表明した。

 10年度予算案が当初ベースで過去最大に膨らんだ背景として、前政権が策定した概算要求基準(シーリング)を撤廃したことも要因に指摘されている。大串政務官は、2011年度予算編成におけるシーリングの必要性について「どうなるかわからない」としながら、「極めて重要な課題だ」と指摘した。 

 <外為特会見直し「慎重に市場の声聞く」、財務相交代でも為替政策変わらず>  

 菅財務相は、10年度当初予算の成立後にも特別会計や独立行政法人、公益法人の具体的な見直し作業に入る方針を表明。財務省所管の特別会計では、現在、20兆円程度ある外国為替資金特別会計の積立金の見直しを求める声も出ている。

 この点について大串政務官は、全ての特別会計が見直し対象との認識を示した上で、外為特会の積立金は足もとの円高進行で含み損の状態にあると指摘。そうした中で、「積立金があるからといってキャッシュアウトすることがいいのか。慎重に市場の声も聞く必要がある」との認識を示した。

 市場から円高阻止の為替介入に否定的と見られていた藤井裕久前財務相が体調不良で辞任し、菅財務相に交代したことによる為替政策の変化については、両相とも7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の声明がベースにあるとし、「(政策に)変わりはない」と語った。 

 (ロイターニュース 伊藤純夫 西川洋子)

ロイタージャパン ロゴ
ロイタージャパン

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介