2010年4月24日15時4分
[ワシントン 23日 ロイター] ワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議出席者の主な発言は以下の通り。
◎菅直人副総理兼財務・経済財政担当相:
(人民元について)
「G7やG20でそういう話題を議論することは、やはり中国があまり好まないということを皆知っている」
「(正式な会合の場では、中国人民元を含む為替の問題は)議論にはなっていない」
(経済について)
日本の財政状況については直接的な言及はなかった。
先進国で最悪の財政状況の改善に向けて注文めいた議論がなかった。
(出口戦略について)
「もう出口に出てしまっている国、たとえばオーストラリアや日本を除くアジアの国、ほぼ完全といえるくらい経済危機から脱している先行チームと、日本や欧州のようにそこまでまだいっていない、ただ明るい兆しがみえている後発組。アメリカはその間にある、そういう認識を皆もっている」
「(出口戦略では)『日本の場合もそうだが、慎重にみないといけない国もある』と会議で主張した」
(金融規制改革について)
「全体として同じ方向だが、国によって現在の状況に差がある」
(ギリシャの債務問題について)
ギリシャ政府から支援要請があったという報告以上の議論は特になかった。関係者には積極的な努力をして欲しい。
「日本の持っているギリシャの国債の比率は極めて小さいので、直接的なインパクトはもともと小さいとされている」
◎白川方明日銀総裁:
(日本経済について)
「持ち直しの持続傾向がより明らかになってきており、特に民間需要の自律的回復に向けた萌芽もみられることを説明した」
(金融規制改革について)
さまざまな金融規制改革案に対してマクロ経済への影響を考慮すべきと会議で発言した。
「第一に規制の効果、強さを全体として評価する必要があること、第二にさまざまな規制がマクロ経済の回復を阻害しないようにすること、第三に具体的な制度設計にあたっては各国の実情を踏まえて各国によって対応が異なりうることを指摘した」
G20では「国際金融システムの安定に向けどういう解決策があるのか、もちろん意見の相違はあるが解決策に向け努力していこうという意思を確認した」
◎ガイトナー米財務長官:
(ギリシャの債務問題について)
ギリシャの財務相と23日午前に話をした。ギリシャが問題への対処に向けて動いていることに勇気づけられた
「この問題について進展の兆しがみられることは喜ばしい」
「(ギリシャ問題への)緊急性の認識が高まっていることを歓迎する。強力な経済改革と、相当な規模でかつ具体的な金融支援を早期に実施するよう、ギリシャと欧州、IMFに求める」
(人民元について)
「私の立場は従来と変わっていない。つまり、中国が選択することだ。数年前に開始し、金融危機を受けて停止されている(為替)改革を再開することが国益にかなうと、中国はいずれ認識するだろう」
(新興国と為替制度について)
新興国の一部には、輸出への依存が低下し消費が拡大する兆候が見られるが、市場原理に基づく為替制度をとることにより、これを補強する必要がある。
(銀行課税案について)
「この問題でさまざまな考えがあることは、意外ではない。われわれは米国では、必要なことをやる」
米国では、とったリスクに応じて大手銀行に手数料を課す計画を進める。
◎トリシェECB総裁:
(スペインに関する質問に)
欧州のすべての国が「すべき事を多く抱えている」。
スペインは当然、ギリシャではない。
(ギリシャについて)
IMFと喜んで協力する。
◎レーン欧州委員(経済・通貨問題担当):
(ギリシャ支援策について)
「現在、かなり集中的に作業をしている」
「5月初めまでに作業を終えられるだろう」
「G20でギリシャ問題について説明した」
「G20会合では、ギリシャ問題は短時間討議されたものの、金融改革に議論が集中した」
◎アスムセン独財務次官:
(ギリシャの債務問題について)
「G20会合でも、ギリシャの債務問題をめぐり討議が行われた。ギリシャの状況は『世界的な問題』だからだ」
(銀行課税案について)
「明らかに共通の目標がいくつかある。銀行に何らかの形で課税することを志向するムードは明らかだ」
「ドイツは銀行課税での国際協調を呼びかけている」
「G20は何らかの形の銀行課税とより厳格な金融規制の必要性は認識しているが、銀行課税が過去・将来の危機のために活用されるべきかという問題については意見の相違があり、合意はできていない」
◎ウェーバー独連銀総裁:
(新銀行自己資本規制について)
「資本ルールを変更すべきという点で異論を唱える人はいない」
「今年はルールに関する討議を終了することが重要」
◎ノワイエ仏中銀総裁:
(ギリシャの債務問題について)
「これがユーロを不安定させるか。いや、そんなことはまったくない。為替相場は変動するものだ。ユーロはこんにち、極めて強いと指摘しておく。ユーロは全幅の信頼を得た中央銀行を持つ非常に強固は通貨であることに変わりない」
「われわれは、与えられたマンデートで完全に一致している。ユーロはいまも非常に強固な通貨で、それが変わるかという話は論外だ」
◎ラガルド仏経済財務雇用相:
(銀行課税案について)
「銀行、保険会社、ヘッジファンド、年金基金、その他システミックリスクを引き起こす可能性があるすべての機関が対象になることが重要」
「これについては長時間にわたり討議した。米国、英国、ドイツなどの国がフランスとほぼ同じ立場だったことが興味深かった。その半面、豪、カナダ、一部新興国からは有効性を問う声が出た」
◎マンテガ・ブラジル財務相:
(金融規制改革について)
「国際金融システムの改革を実行する必要性には全員が言及した。実行すべき、それもいま、というのがコンセンサスだとわたしは認識している」
(銀行課税案について)
「銀行、その他金融機関の行動が原因で金融セクターで損失が出た国には適切だと思う。わが国にはそういう事は起こらなかった」
(ギリシャの債務問題について)
「世界経済は、想定以上の回復をみSている。ギリシャはそのプロセスを脅かすほどの要因ではない」
◎ブドゥ・アルゼンチン経済財務相:
(銀行課税案について)
「非常に難しい。なぜなら、それは国・地域によって違いを生み、ひいては資本の急激な流入・流出の可能性をもはらむからだ」
◎ダーリング英財務相:
(銀行課税案について)
「より厳格な規制・監督制度と、銀行が事業を展開する社会に対し負っている債務を返済することを意味する税制度との間できちんとバランスをとる必要がある、との認識で一致している。銀行課税については実際には、より長期的な税に対する関心のほうが高い」
「現在のところ、これが実現しない、悪い、という意見はどこからもでていない。問題意識は広く共有されている。すでに述べているように、安定への最大の脅威は、起こった事を忘れて必要な行動をとらないことだ。フランス、米国など、多くの国が同じことを指摘している」
◎トレモンティ伊経済・財務相:
(ギリシャ支援について)
「もし近所の家が火事になったら、たとえ小さい家で、その家の過失であっても、火事を無視しないほうが良い。消火器があれば、それを使うべきだ。われわれがやったのは、そういう事だ」
「そうしなければ、火事は近隣の家に燃え広がる。大きな家もそうなる。これはドイツのことだ」
◎ドラーギ金融安定理事会(FSB)議長(G20財務相あて書簡):
(銀行の新自己資本比率規制「バーゼルIII」について)
「同規制の実施でマクロ経済に悪影響が及ばぬよう、移行および適用除外に関する取り決めを設けるつもりだ」
(銀行課税案について)
国際的な銀行税については、バーゼルIIIの代替とみなされるべきではない。
「資本強化という優先事項に対して、課徴金もしくは課税は代替とならない」
<4月22日>
◎白川方明日銀総裁:
「為替レートを貿易紛争解決の手段として使うのは適切でない」
「各国は自国経済の安定を達成するという観点から政策運営を考える必要がある。為替レートについてもそうだ」
(金融規制改革について)「金融危機の再来を防ぐための取り組みをしていくことは大事。一方で世界経済の回復は磐石ではないので、それぞれの規制の提案について、マクロ経済への影響を十分検証しつつ(議論を)進めることが大切だ」
「金融課税だけを取り出して議論するのは建設的ではない。各国それぞれおかれた金融構造が違うので、課税について普遍的な答えはない」
◎菅直人副総理兼財務・経済財政担当相:
(中国人民元問題について、日米財務相会談で)「直接、為替についてどうすべきかという話はなかった」
「米中間で特に大きい問題だが、G20では表立った議論は控える雰囲気がある」
「危機の中でG7各国の財政がかなり悪化してそれを健全化することが(課題となって)いる」
「日本も財政再建の法律を準備している。出せるかどうかわからないが、もし出せるとしたら国会の場で超党派で議論していきたい」
*内容を追加して再送します。