[東京 2日 ロイター] 帝人<3401.T>は2日、2013年3月期の連結営業利益予想を従来予想の350億円から250億円に減額修正すると発表した。29%の下方修正。前期比では26.5%減益となる。パソコン(PC)向け樹脂や液晶パネル向けフィルムなど電子材料の販売不振と価格下落などが響く。
業績悪化を踏まえ、一部素材の生産体制見直しを含むコスト削減の検討を進める。年間配当予想は従来の1株6円から4円に下方修正した。前期の6円に比べ2円の減配となる。
トムソン・ロイター・エスティメーツによると、アナリスト13人が過去90日間に出した営業利益の予測平均値は257億円で、会社予想はこれを2.9%下回った。
園部芳久・最高財務責任者(CFO)は、決算会見で「環境認識は日を追うごとに厳しくなっている。欧州の景気低迷の長期化に加え、中国など新興国経済にも減速の影響が出ている」と語った。下方修正については、世界の景気減速により素材需要の急回復を期待することは困難で、高機能繊維・複合材料や電子材料など素材事業の販売量減少と競争激化に伴う価格下落圧力を織り込んだと説明した。
その上で、収益改善に向けた緊急対策として、一部生産体制の見直しやコスト削減の強化・前倒しなどを検討していることを明らかにした。不採算ラインの停止やフィルム事業の中国へのシフト加速などを検討しているという。今期の設備投資も従来計画比50億円減の450億円に抑える。「需要減退に合わせ、投資先延ばしや規模の縮小を考える」方針。
一方、日中関係悪化については「(日本製品の)不買運動以上に中国の経済自体の影響でPCや自動車向け用途などが相当落ち込んでいたので、ここから大きな下げはないと思う」と語った。ただ、下期の不安材料を問われると、「高機能繊維や電子材料では低迷が続くことを織り込んだが、一段と落ち込むリスクが皆無とは言えない」とし、不買運動による日系メーカーの減産でOA機器やPCの需要がさらに減退したり、中国向け高級自動車需要の冷え込みで欧州自動車メーカーの生産がさらに減少したりすることが心配と語った。
12年4―9月期の連結営業利益は前年同期比64.3%減の73億円になった。PC樹脂の価格下落によるスプレッド縮小に加え、防弾・防護用途に使われるアラミド繊維や液晶パネル・太陽電池用のフィルム販売が落ち込んだことが響いた。薬価改定や骨粗しょう症治療剤の競争激化でヘルスケア事業が減益になったこともマイナス。持ち分法利益の減少や税効果などの損失計上で当期損益は5.9億円の赤字に転落した。1株当たり中間配当は1円減配の2円。
(ロイターニュース 大林優香;編集 山川薫)
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