[ブリュッセル 30日 ロイター] 欧州連合(EU)統計局が30日発表した統計によると、ユーロ圏では10月の失業率がユーロ導入以来の水準に悪化し、11月のインフレ率が景気気低迷を受け約2年ぶりの水準に落ち込んだ。
これを受け、欧州中央銀行(ECB)が来年初旬に追加利下げに踏み切るとの観測が高まっている。
ユーロ圏が2009年以降で2度目のリセッション(景気後退)に陥るなか、10月は失業者数が17万3000人増の約1900万人となり、失業率は11.7%と、1999年のユーロ導入以来の水準に悪化。債務危機の影響が労働市場にも広がっていることが裏付けられた。
経営が圧迫された企業や負債を抱える個人の間で、投資や消費に対する信頼感が低下していることから、11月のユーロ圏のEU基準消費者物価指数(CPI)速報値は、前年同月比2.2%上昇となり、10月の同2.5%上昇から伸びが鈍化。2010年12月以来の低水準となった。市場予想の2.4%上昇も下回った。
エネルギー価格の上昇率が小さかったことで11月の物価上昇圧力が緩和され、CPI上昇率は、2%をやや下回る水準としている欧州中央銀行(ECB)の目標に近づいた。
ECBは7月、主要政策金利であるリファイナンス金利を過去最低水準となる0.75%に引き下げ、その後この水準を維持している。
スタンダード・チャータードのエコノミスト、トーマス・コスターグ氏は、来年第1・四半期中に追加利下げがあると予想。「ドラギECB総裁は向こう数カ月間は追加刺激実施に道を開けておくとみている」と述べた。
ただ、銀行が融資に消極的となっているなかで、主要政策金利をさらに引き下げることで景気刺激の効果が得られるのか疑問も出ている。こうしたなか、ECBは市場の注目を新たに発表した債券買い入れ策(OMT)にとどめておくために、次回12月6日の理事会では利下げに踏み切らない可能性が指摘されている。
ドラギ総裁はこの日、フランスのヨーロッパ1・ラジオに対し、「ユーロ加盟国の大部分で、2013年第2・四半期には確実に回復が見られる」と述べ、努めて慎重ながらも楽観的な見通しを示した。
ユーロ加盟国間では、オーストリアが約4%となっているのに対し、ポルトガルでは16%、スペインでは25%を超えるなど、失業率にも差が出ている。
JPモルガンのエコノミスト、グレッグ・フゼシ氏は、「短期的な動きをより鮮明に反映する失業者数には、減少の兆しは出ていない」とし、「来年には経済は緩やかに回復するとのわれわれの予想の下でも、(ユーロ圏の)失業率は近いうちに12%に達する恐れがある」と述べた。
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