[パリ 30日 ロイター] ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は30日、ユーロ圏危機は収束から程遠いと認めた上で、加盟各国による財政引き締めや銀行同盟の結成が不可欠と強調、危機を招いた「おとぎの世界」から脱却すべきと主張した。
またラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事も、銀行同盟の実現がユーロ圏の最優先事項と語り、ドラギ総裁に呼応する形で改革の必要性を訴えた。
ドラギ総裁は仏ラジオ局「Europe1」とのインタビューで、ユーロ圏の債務問題は来年もしばらく続く公算が大きいと指摘。「ユーロ圏はまだ危機から脱却していない」と述べた上で、大半の加盟国で回復が始まるのは2013年後半以降との見通しを示した。
さらに、その後行われた金融当局者との会合では、持続不能な債務水準や金融機関のぜい弱な体質、さらに政策協調の欠如が3年来の危機を招いたとし、「われわれはおとぎの世界に暮らしている」と語った。
ECBが9月に新たな国債買い入れ計画(OMT)を発表して以降、ユーロ圏の市場環境は一段と落ち着いたと指摘。「OMTの発表が市場心理にもたらした効果はこれまでのところ絶大だ」と述べた。
総裁はまた、ユーロ加盟国政府は銀行同盟の導入を前に進めるべきであり、銀行監督についてはセクターの分断を避けるため、全ての銀行に適用すべきだとの考えを明らかにした。
さらに、フランスとイタリアを筆頭に、各政府は労働市場の硬直性是正に向けた構造改革を推し進めなくてはならないと述べた。
こうしたなか、ラガルドIMF専務理事は、ユーロ圏にとって域内の全銀行の監督権限を一元化する銀行同盟の実現が最優先事項になるべきで、予算面での緊密な連携はその後になるとの考えを表明。ユーロ圏の経済状況は依然ぜい弱で、成長を鈍化させないために各国が「妥当な」ペースで財政の健全化を進めるべきだとした。