現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. ビジネス
  4. 荻原博子の”がんばれ!家計”
  5. 記事

マイナス金利で資産が目減り?

2009年3月4日

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 「政府紙幣」に次ぐ、新手の飛び道具のような経済対策が提案されました。みんなが持っている現金や国債などに課税して目減りさせ、預金を持たせないようにしようという「マイナス金利政策」。提案したのは、財界、産業界に幅広いネットワークを持つ日本経済研究センターです。

 少し前に話題となった「政府紙幣」は、日銀ではなく政府が紙幣を発行してバラまいて、景気を浮揚しようという案。これについては、日銀と政府の2カ所で紙幣が発行されるために、責任の所在があいまいになる可能性があり、紙幣そのものの信頼が弱まって、海外からも売られやすくなる可能性があるので、個人的には反対です。

 けれど、この「政府紙幣」よりももっとびっくり仰天なのが「マイナス金利政策」。

 たとえば、銀行に100万円預けたとしましょう。もし、金利が2%だったら、預金は1年後に2万円増えます。けれど、金利がマイナス2%だったら、1年たつと預けた100万円が98万円に。そうなると、みんな銀行にお金を預けるのをやめ、タンス預金が増えることが予想されますが、タンス預金にさせないために、お金に使用期限を付けようというもの。銀行から引き出したお金が、1カ月後に使えなくなるとすれば、みんなそれで株を買ったり消費をしたりし始めるので、景気が回復するというのです。

 でも、これってちょっと、ひどくないですか?

 今まで、何十年も国策で貯金が大切だと言われ続け、つめに灯をともすように貯金し続けてきたおじいちゃん、おばあちゃんの財産が目減りしてしまうのです。貯金だけでなく、国債などにも、このマイナス金利が適用されると、たぶん日本国債を、誰も買わなくなるでしょう。「とにかく、今は現金でしっかり貯金」などと言い続けきた私も、こんな政策が出てきたら、口をつぐむしか無くなります。

 経済危機の中で、様々な政策が議論されることは大切。でも、根本的に必要な内需の掘り起こしなどの政策よりも、飛び道具のようなびっくり政策ばかりが跋扈すると、みんなますます不安になってくるのではないでしょうか。

プロフィール

写真

荻原 博子(おぎわら・ひろこ)

1954年長野県生まれ。経済ジャーナリストとして幅広く活躍。デフレを見越し、借金を減らし投資を控える「資産防衛」を一貫して提唱。現在、テレビ・雑誌・新聞などを通じて不況時の生活防衛策や、保険、金融、住宅問題など実戦的な提案を発信している。著書に「荻原博子の家計まるわかり読本」(学習研究社)「生命保険は掛け捨てにしなさい!」(ダイヤモンド社)など多数。監修した「ボクたちの値段」(講談社)も好評発売中。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内

株価検索