写真・図版 5月1日、ユニバーサルエンターテインメントと岡田和生会長が米カジノ大手のウィン・リゾーツと同社CEOを名誉毀損などで東京地検に刑事告訴したことが明らかになった。写真は同社の本社が入るビル。都内で2012年11月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

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 [東京 1日 ロイター] - ユニバーサルエンターテインメント<6425.T>は4月30日付の発表資料で、同社と岡田和生会長が同24日、米カジノ大手のウィン・リゾーツ<WYNN.O>と同社CEOのスティーブン・ウィン氏を名誉・信用毀(き)損と風説の流布で「東京地方検察庁に刑事告訴・告発し、受理された」ことを明らかにした。

 これに対し、ウィンの広報担当者はロイターの取材に応じ、「今回の新たな訴訟は何の意味もなさないばかりか、岡田氏自身が受けている刑事捜査を妨害しようとする一例にすぎない」と反発している。ユニバーサルの告訴は受理されたが、捜査などが行われるかは不透明だ。

 ユニバーサルはかつて米国子会社を通じ、ウィンの株式20%を保有していたが、両社は民事訴訟などを通じて係争状態にある。

 ウィンは2012年2月、ユニバーサルの岡田会長について米国海外腐敗行為防止法違反を繰り返した疑いのある「不適格者」と認定されたとする調査結果をホームページで開示。さらに、ウィンは、ユニバーサルの持分を強制的に買い戻した。

 これに対し、ユニバーサルは不正行為の存在を否定。ウィンの行為は名誉・信頼毀(き)損にあたり、ユニバーサルの株価下落を招いたとし、2012年8月、112億円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。

 しかし、13年10月、東京地裁はユニバーサルの訴えを却下。損害賠償請求のきっかけとなったウィンによる岡田会長への調査は米国で行われ、日本の裁判所が取り扱える事件ではないなどという理由からだった。

 一方、ウィンは米国で、ユニバーサルのフィリピンカジノプロジェクトをめぐる問題に関して12年2月に民事訴訟を起こしており、その公判が5月8日には行われる予定だ。

 この訴訟でウィンは、岡田氏と関連会社がカジノ計画を進めるため、海外の規制当局者に資金を提供したり、会社の資産を不正に流用したと主張。一方、米捜査当局はユニバーサルがフィリピンのカジノ開発で比当局関係者に賄賂を行った疑いがあるとして刑事捜査を進めており、同捜査を継続するために米ネバダ州の地方裁判所は、ウィンとユニバーサルの間の訴訟期間を6カ月間延長していた。

 この刑事事件はユニバーサルの関連会社が関連のあるとされるコンサルタントに4000万ドルの使途不明な支払いを行ったというもの。ユニバーサルと岡田氏は、比カジノ開発の誘致で不正は行っていないと主張している。

 ロイターは4000万ドルの不明な資金の流れについて報道し、ユニバーサルは12年12月、ロイターと同社記者、編集者に対する損害賠償請求を東京地裁に起こしている。

 ロイターの広報担当者は、報道内容を支持するとコメントしている。

 

 (ネイサン・レイン、翻訳・編集;北松克朗、江本恵美)