写真・図版 7月30日、米民間調査によると、中国機関投資家の海外不動産投資額は2014年上半期に17%増の54億ドルに達し、最も投資を集めたのはロンドンだった。写真は1月、水たまりに映るロンドンのウェストミンスター寺院(2014年 ロイター/Luke MacGregor)

[PR]

 [香港 30日 ロイター] - 中国機関投資家の海外不動産投資が伸びている。2014年上半期の投資額は全体で17%増の54億ドル、居住用物件投資の伸び率は84%に達した。

 米国の総合不動産サービス大手、ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)が30日公表した調査結果で明らかになった。

 最も投資を集めたのはロンドンで、投資額は23億ドルに達した。ロンドンは従来からインフラプロジェクトへの中国投資家誘致に熱心だったが、その効果が商業施設や居住用物件への投資に波及したとしている。

 ロンドンに次いで投資額多かったのは、サンフランシスコ(5億4800万ドル)とシカゴ(3億6500万ドル)で、さらにシドニー、マドリードが続いた。マドリードでは不動産開発最大手の大連万達集団が、歴史的高層建築として知られる「エディフィシオ・エスパーニャ」を3億6100万ドルで地場銀大手のサンタンデール銀行 <SAN.MC>から購入している。

 JLLのグローバル・キャピタルマーケット・リサーチ部門を率いるデビッド・グリーン・モルガン氏は公表資料で「海外の投資家は最初は流動性の高い大都市物件を狙うが、自然の勢いとしてハイリスク・ハイリターンを求めるようになり、相対的にリスクの高いスペインなどの都市に手を出すようになるものだ」と指摘している。

 中国の海外不動産投資54億ドルのうち、40億ドルは事業用物件への投資だった。

 投資家の多くは不動産開発業者や保険会社で、主に世界主要都市の中心地にあるオフィス物件や複合物件に投資する一方、中国の観光ホテルや観光客向け物件への関心も高めているという。

 JLLは、南欧で滞在許可と投資を結びつけた「ゴールデンビザ制度」の導入が進んでいることも中国投資家を引き付ける要因となったとしている。

 これとは別に、中国の海外不動産投資ポータル最大手のJuwai.COMによる2014年上半期調査では、中国の個人投資家に最も人気があるのは米国で、オーストラリアがこれに続いた。カナダは「投資移民プログラム」の中止にもかかわらず3位となり、英国は4位だった。